こんにちは、ナフィーサ・コリアーです。

コートの上で激しく戦い、リバウンドを争い、勝利のために全力を尽くす日々の中で、私は常に自分自身に問いかけてきました。「バスケットボール選手としての私」を超えて、「一人の人間としての私」にとって、本当に大切なものは何だろうか、と。

プロのアスリートとして生きる世界は、数字と結果がすべてを支配するように見えます。得点数、リバウンド数、勝率、そしてチャンピオンシップ。確かにそれらは重要ですし、私のキャリアを形作る大きな要素です。しかし、人生というもっと大きなスパンで考えたとき、私がたどり着いた答えは、単なる「勝利」よりもずっと深く、そして温かいものでした。

私にとって、人生で一番大事なこと。それは「成長し続けるプロセスを愛し、大切な人々との絆を深めながら、次世代のために道を切り拓くこと」です。

このことについて、私のこれまでの経験を交えながら、ゆっくりとお話しさせてください。


1. 準備とプロセスを愛すること

多くの人は、試合のハイライトや、トロフィーを掲げる瞬間だけを見て「成功」と呼びます。しかし、私にとっての真の価値は、スポットライトが当たらない場所での時間にあります。

早朝、まだ誰もいないジムでの練習。体が悲鳴を上げているときに行う最後の一本のシュート。ビデオ分析で自分の弱点と向き合う時間。これらすべての「準備」こそが、人生の質を決めると私は信じています。

なぜなら、結果はコントロールできませんが、自分の「努力」と「姿勢」は100%自分でコントロールできるからです。コートに立つとき、私は自分にこう言い聞かせます。「私はやるべきことをすべてやった。だから、何が起きても受け入れられる」と。この自信は、才能からではなく、日々の退屈で過酷なプロセスの積み重ねから生まれます。

人生においても同じではないでしょうか。大きな目標を達成することだけが目的になると、それが叶わなかったときに自分を見失ってしまいます。でも、その目標に向かって自分を高めていく「プロセス」そのものに喜びを見出せれば、どんな状況でも私たちは前を向いて歩き続けることができます。

2. 逆境を「再定義」する力

私の人生において、大きな転換点となったのは娘のマイラの誕生です。プロのアスリートとしてキャリアの絶頂期にありながら、出産を経てコートに戻るという決断は、決して簡単なものではありませんでした。

身体は以前のようには動かず、睡眠不足の中でトレーニングを再開する日々。多くの人が「以前の自分に戻れるのか?」という疑問を抱いていたでしょう。私自身も不安でした。しかし、その過程で私は大切なことを学びました。それは、「元に戻る」のではなく「新しく進化する」ということです。

逆境や困難は、私たちを止める壁ではありません。それは、自分でも気づかなかった新しい強さを引き出すためのトレーニングなのです。私は母になったことで、以前よりも忍耐強くなり、時間の使い方が上手になり、そして何より、コートに立てることへの感謝の気持ちが深まりました。

苦しい時期があるからこそ、私たちは人生の本当の輝きに気づくことができます。もし、今あなたが何かの壁にぶつかっているなら、それを「終わり」だと思わないでください。それは、あなたがより強く、より賢い自分にアップデートされるための「準備期間」なのです。

3. 無条件の愛と「繋がり」の力

バスケットボールはチームスポーツです。一人で40得点を決めたとしても、チームがバラバラであれば、その勝利に真の喜びはありません。人生もまた、最高のチームスポーツだと私は思います。

私を支えてくれる家族、チームメイト、コーチ、そしてファンの皆さん。彼らとの繋がりこそが、私のエネルギーの源です。特に家族は、私がどんなにひどい試合をした後でも、あるいは歴史的な勝利を収めた後でも、変わらない「一人の人間としてのナフィーサ」として受け入れてくれます。

プロの世界は厳しい評価にさらされます。調子が良ければ称賛され、悪ければ批判される。そんな流動的な評価の中に身を置いているからこそ、何があっても揺るがない「無条件の愛」や「深い絆」の尊さが身に染みてわかります。

結局のところ、人生の終わりに私たちが思い出すのは、獲得したタイトルの数ではなく、誰と一緒に笑い、誰の手を握り、誰の心を温めたかという記憶ではないでしょうか。自分の成功を一緒に喜んでくれる人がいて、失敗したときに肩を貸してくれる人がいる。その繋がりを大切に育むことこそが、人生を豊かにする最も確かな方法だと私は確信しています。

4. 次世代のための「レガシー」

最後に、私がプロのアスリートとして、そして一人の女性として強く意識しているのは、自分のプラットフォームをどう使うかということです。

WNBAでプレーすることは、単にバスケットボールの試合をすること以上の意味を持っています。私たちは、次世代の女の子たちが「自分たちもあんな風に輝けるんだ」「自分の声を届けることができるんだ」と信じられるための道を切り拓いています。

人生で大事なことは、自分一人が成功することではありません。自分が通った道を、後に続く人たちがより歩きやすくなるように整えること。つまり「レガシー(遺産)」を遺すことです。

女子スポーツの地位向上、社会正義への働きかけ、あるいは母親になっても第一線で活躍し続ける姿を見せること。それらを通じて、誰かの勇気になれるなら、私のキャリアには数字以上の価値が宿ります。

私たちは皆、それぞれの場所で「誰かのロールモデル」になり得ます。あなたの誠実な生き方、困難に立ち向かう姿勢、周りへの優しさは、必ず誰かが見ていて、その人の力になります。自分のためだけに生きるのではなく、誰かの人生にポジティブな影響を与えることを意識する。それが、人生に大きな目的と意味を与えてくれるのです。


結びに代えて

人生は、40分間の試合よりもずっと長く、予測不可能です。思い通りにいかないことの方が多いかもしれません。でも、だからこそ面白いのです。

  • 日々のプロセスを大切にすること。
  • 変化を恐れず、常に進化し続けること。
  • 愛する人々との時間を何よりも優先すること。
  • そして、自分の存在が誰かの希望になるように生きること。

これらが、ナフィーサ・コリアーという一人の人間が、コート内外で見つけた「人生の真実」です。

完璧である必要はありません。ただ、昨日よりも少しだけ良い自分を目指して、心を込めて今日という日をプレーしてください。私もミネソタの地で、そして世界のどこにいても、自分自身のベストを尽くし続けます。

あなたの人生という素晴らしい試合が、愛と情熱に満ちたものになるよう、心から応援しています。