こんにちは、BLACKPINKのロゼです。
こうして「人生で一番大事なことは何か」という、とても深くて素敵な問いを投げかけてくれてありがとうございます。普段は音楽やパフォーマンスを通して自分の想いを表現することが多いので、こうして言葉でじっくりと私の価値観をお話しするのは少し照れくさいですが、今の私が感じている「真実」を一生懸命お伝えしたいと思います。
3500字という長いお手紙のような形になりますが、私の心の中を旅するように読んでいただけたら嬉しいです。
1. 始まりは「情熱」という名の小さな火花
私が人生で一番大事だと思っていること。その根底にあるのは、やはり「自分の心が震えるものに対して、どこまでも正直であること」です。
私はニュージーランドで生まれ、オーストラリアで育ちました。子供の頃の私は、ただ音楽が大好きで、放課後にピアノを弾きながら歌を歌うのが何よりの楽しみでした。あの頃の私にとって、音楽は「仕事」でも「目標」でもなく、ただ自分の心を癒やし、満たしてくれる「呼吸」のようなものでした。
15歳の時、父の勧めで韓国でのオーディションを受けることになった時、正直に言えば不安しかありませんでした。慣れ親しんだ家族、友人、そしてオーストラリアでの平穏な生活。それらをすべて捨てて、たった一人で韓国へ行く。それは、10代の女の子にとってはあまりにも大きな決断でした。
でも、私の心の中には、消したくても消せない小さな火花がありました。「もっと歌いたい」「自分の音楽を誰かに届けたい」。その情熱を無視して生きることは、自分自身を裏切ることだと感じたんです。
人生で大事なことの第一歩は、他人の目や社会の基準ではなく、自分の心が何に反応し、何に熱くなっているのかを見逃さないことです。 どんなに小さくても、その火花を大切に育てる勇気が、人生を彩る最初の色になると信じています。
2. 完璧さよりも「プロセス」を愛するということ
韓国に来てからの練習生時代は、決してキラキラしたものではありませんでした。毎日が評価の連続で、自分より優れた才能を持つ人たちに囲まれ、「自分は何者になれるんだろう」と暗闇の中で出口を探しているような日々でした。
その時、私は一つの大きな壁にぶつかりました。それは「完璧主義」という壁です。
完璧に歌わなきゃ、完璧に踊らなきゃ、誰からも文句を言われない自分にならなきゃ……。そう思えば思うほど、私の歌からは色が消え、ただの「正しい音」になっていきました。
ある日、私は気づいたんです。人生で大事なのは、完璧な結果を出すことではなく、その過程(プロセス)の中でどれだけ自分が成長し、楽しめたかだということ。
たとえ今日、練習で失敗しても、その失敗の中で「あ、この声の出し方は自分らしいかも」という発見があれば、それは成功なんです。結果を急ぎすぎると、私たちは「今」という貴重な時間を犠牲にしてしまいます。でも、人生のほとんどは「準備期間」や「移動時間」です。ステージの上にいる数分間だけが人生ではありません。
泥臭く努力している時間、悩んでいる時間、そのすべてを「愛すべき私の人生の一部」として受け入れること。それができるようになってから、私の世界は少しずつ軽やかになりました。
3. 「自分だけの声」を信じる勇気
BLACKPINKとしてデビューし、想像もできなかったような大きなステージに立たせていただくようになりました。世界中の方々が私の歌を聴いてくださることは、この上ない幸せです。
しかし、注目されればされるほど、外からの声も大きくなります。「もっとこうすべきだ」「今のスタイルは良くない」……。そんな声に耳を傾けすぎると、自分が誰なのか分からなくなってしまうことがあります。
そんな中で私が学んだ人生の教訓は、「自分の独自性(Authenticity)を絶対に手放さないこと」です。
私の声は、少し特徴的だと言われることがあります。デビュー当時は、その個性が強すぎないか不安になることもありました。でも、今は確信しています。世界に完璧な歌手はたくさんいても、「私と同じ声」を持つ人は一人もいません。
それはあなたも同じです。あなたという存在、あなたの考え方、あなたの歩んできた道のりは、世界に一つしかない唯一無二のものです。誰かの真似をして「平均的な正解」を目指す必要はありません。
自分の弱さや、少し変わった部分、それこそがあなたの「武器」であり「美しさ」です。 自分の色を薄めてまで周りに合わせるのではなく、その色をより深く、より鮮やかに磨き上げていくこと。自分自身を信じるという作業は、一生続くものですが、それこそが生きる価値そのものだと思っています。
4. 愛と繋がり:一人では辿り着けなかった場所
「人生で一番大事なこと」を語る上で、絶対に欠かせないのが「人との繋がり」です。
私は一人でここまで来たわけではありません。家族の無条件の支え、切磋琢磨し合ってきたBLACKPINKのメンバー、そしていつも温かい愛をくれるBLINK(ファン)の皆。彼らがいなければ、私はとっくに道に迷っていたでしょう。
特に、メンバーの3人は私にとって家族以上の存在です。一緒に泣き、笑い、限界を乗り越えてきた彼女たちがいるからこそ、私は安心して自分を表現できます。誰かを心から信頼し、また誰かから信頼されること。 この目に見えない絆が、人生の荒波の中で私たちを支える「錨(いかり)」になります。
また、愛を与えることも、人生を豊かにする重要な鍵です。
私が音楽を作る時、いつも考えるのは「この曲が、誰かの孤独を癒やせたら」「誰かの背中をそっと押せたら」ということです。自分のためだけに頑張ることには限界がありますが、誰かの幸せのために力を使いたいと思った時、私たちは信じられないようなエネルギーを発揮できます。
成功してトロフィーを手にすることよりも、大切な人と美味しいご飯を食べながら「お疲れ様」と言い合える瞬間。その温かさこそが、人生の本当の成功なのだと今の私は感じています。
5. 「小さな幸せ」を拾い集める感性
大きな夢を追いかけることは素晴らしいですが、それと同じくらい、日常に転がっている小さな幸せに気づく感性も大切にしたいと思っています。
私にとってそれは、愛犬のハンクと散歩をすることだったり、お気に入りのギターをポロンと爪弾く瞬間だったり、美味しいものを食べて「あー、幸せ!」と心から思うことだったりします。
世界中を飛び回る忙しい生活の中で、心が疲弊してしまうこともあります。そんな時、私を救ってくれるのは大きな名声ではなく、こうした「小さな、でも確かな幸せ」の積み重ねです。
人生は、特別なイベントだけで構成されているわけではありません。何でもない日常をどれだけ慈しめるか。空の色が綺麗だとか、コーヒーの香りがいいとか、そんな些細なことに感動できる心を失わないようにしたい。「幸せを感じる能力」は、練習して鍛えることができる技術のようなものだと私は思っています。
6. 弱さを受け入れ、また立ち上がること
最後に伝えたいのは、「完璧でない自分を許す」ということです。
私はいつも明るく、強くあろうと努めていますが、時には自信を失くして涙が止まらない夜もあります。不安に押しつぶされそうで、何もかも放り出したくなることもあります。
でも、それでいいんです。悲しい時はしっかり悲しみ、疲れた時はちゃんと休む。自分の弱さを隠すのではなく、「今はそんな時期なんだ」と優しく抱きしめてあげること。
人生で大事なのは、転ばないことではなく、転んだ後にどうやって立ち上がるか、あるいは立ち上がれない時にどう自分を癒やすかです。
最近、ソロ活動でブルーノ・マーズさんと『APT.』という曲を出しましたが、あの曲も「ただ楽しく、自分たちがハッピーになれるものを」という純粋な気持ちから生まれました。深刻になりすぎず、時には遊び心を持って人生を楽しむこと。深刻さと軽やかさのバランスを取ることが、長く走り続けるための秘訣かもしれません。
結びに:あなたが、あなたの人生の主人公
長くなってしまいましたが、私の考える「人生で一番大事なこと」をまとめると、こうなります。
- 自分の心の火花(情熱)に正直であること。
- 結果よりも、今この瞬間のプロセスを愛すること。
- 唯一無二の自分らしさを信じ、磨き続けること。
- 大切な人との絆を育て、愛を循環させること。
- 日常の小さな幸せに気づく感性を持つこと。
- 弱さも含めて、ありのままの自分を許すこと。
人生は一度きりです。誰かの書いた脚本を演じるのではなく、あなたが主役となって、あなただけの色でキャンバスを塗りつぶしていってください。
私も、私の場所で、精一杯の愛と音楽を届けていきます。
あなたが、あなた自身の人生を心から愛せるよう、いつも応援しています。
With love,
Rosé