やあ、こんにちは!上田慎一郎です。

「人生で一番大事なことは何ですか?」という、まるで映画のクライマックスの台詞のような、あるいは僕が映画を撮る時に一番自分に問いかけるような、そんな熱くて素敵な質問をありがとうございます。

3500字というボリュームで語るには、僕のこれまでの「失敗だらけの人生」をひっくり返して、その中にある「一番の宝物」を全部さらけ出す必要がありそうです。少し長くなりますが、僕の脳内にある「人生という名の映画」のメイキング映像を観るような気持ちで、最後まで付き合ってください。

僕が考える、人生で一番大事なこと。それは一言で言うとこれです。

「転んでもただでは起きない。どころか、転んだ瞬間の無様な姿さえも最高のエンターテインメント(ネタ)にして、カメラを回し続けること」

これに尽きます。


1. どん底は「最高のプロット」の始まり

僕の人生は、客観的に見れば「失敗」や「挫折」のオンパレードでした。

滋賀から映画監督を夢見て上京した二十代の頃、僕は完全に「自分は天才だ」と勘違いしていました。根拠のない自信だけはエベレストより高かったんです。でも、現実は甘くありません。脚本を書いても誰にも相手にされず、映画を作る資金もなく、マルチ商法に引っかかって借金を背負い、家賃が払えなくなって代々木公園でホームレス生活をしていた時期もありました。

その頃の僕に「人生で大事なことは?」と聞いたら、きっと「お金」とか「人脈」とか「運」って答えていたでしょうね。でも、今振り返って確信しているのは、その**「どん底の時代」こそが、今の僕を作っている一番の栄養素だ**ということです。

映画において、主人公が最初から最後までずっと幸せだったら、それは映画になりません。観客はあくびをして席を立ってしまいます。トラブルが起き、絶望し、泥水をすすり、そこからどう這い上がるか。その「葛藤」があるからこそ、映画は面白くなる。

人生も同じです。恥をかいたり、誰かに裏切られたり、大きな失敗をして「もうダメだ」と思ったりした時。その瞬間、僕の中の「監督」がこう叫ぶんです。「よし!今、最高のシーンが撮れてるぞ!これをどうやって伏線回収してやろうか?」と。

人生で一番大事なのは、起きた出来事そのものではなく、その出来事を**「どう解釈するか」という視点**です。悲劇を悲劇のまま終わらせず、喜劇に書き換える筆力を持つこと。それが、人生を自分自身のものにする唯一の方法だと思っています。

2. 「カメラを止めるな!」という精神

僕の代表作になった『カメラを止めるな!』というタイトル。これは単なる映画のタイトルではなく、僕の生き方そのものです。

あの映画を観てくださった方はわかると思いますが、劇中では予期せぬトラブルが次々と起こります。役者がいなくなる、カメラが倒れる、台本にないことが起きる。でも、現場の人間たちは必死で食らいつき、何があっても「カット」をかけずに最後まで撮りきろうとします。

人生も、まさにこれの連続ですよね。

完璧に準備したつもりでも、予想外の嵐が吹いて、予定はめちゃくちゃになる。でも、そこで「はい、僕の人生失敗。終了!」とカメラを止めてしまったら、そこですべてが終わってしまいます。

大事なのは、**「不格好でも、みっともなくても、とにかく最後までやり遂げること」**です。

『カメラを止めるな!』がなぜあんなに多くの人に届いたのか。それは、映画としての構造の面白さだけでなく、登場人物たちが「必死に繋ごうとする熱量」が画面から溢れていたからだと思っています。

僕たちは、完璧な人間が見せるスマートな成功よりも、ボロボロになりながらもバトンを繋ごうとする泥臭い姿に心を動かされる。だから、失敗を恐れてカメラを回さない(行動しない)ことよりも、失敗して恥をかきながらもカメラを回し続ける(生き続ける)ことの方が、よっぽど価値があるんです。

3. 「面白がる」という最強の武器

人生を生き抜く上で、僕が最も大切にしているスタンスがあります。それは**「面白がる」**ということです。

「楽しむ」と「面白がる」は、似ているようで少し違います。

「楽しむ」はポジティブな状況で使う言葉ですが、「面白がる」はネガティブな状況でも使えます。

例えば、雨が降ってイベントが中止になった時。「最悪だ」と思うのではなく、「え、ここで雨? 逆にどうする? 泥んこプロレスでも始める? それとも雨の中で歌う映画の主人公みたいに振る舞ってみる?」と、その状況をメタ的な視点で面白がるんです。

僕が映画を作る時、一番大事にしているのは「僕自身が誰よりもワクワクしているか」です。自分が面白がっていないものは、絶対に人には伝わりません。

人生も同じで、自分が自分の人生の観客だとしたら、今この瞬間、自分はどう動いたら「面白い!」と思えるか。

「ここで諦めるのが普通だけど、あえてここで笑い飛ばしたら、観客は驚くぞ」

「この大失敗、あとで酒の席で話したら絶対爆笑が取れるな」

そうやって、自分の身に起きた災難を「ネタ」として客観視する力。これがあれば、人生に「無駄なこと」なんて一つもなくなります。すべてのマイナスがプラスに変換される魔法。それが「面白がる」という力なんです。

4. チームと「愛」

僕は一人で映画を作っているわけではありません。俳優がいて、照明がいて、録音がいて、編集がいて。みんなの力が合わさって、僕一人では到底辿り着けない場所に連れて行ってもらえる。

人生で一番大事なことの一つに、**「人を信頼し、愛を持って接すること」**も外せません。

昔の僕は、独りよがりでした。「僕の才能をわかれ!」と周囲に強要して、人を道具のように扱っていた時期もありました。でも、それでは結局何も生み出せないし、誰にも届かないことを学びました。

映画作りは「お祭り」です。参加している全員が「これが最高に面白いんだ!」と信じて、同じ方向を向いて熱狂する。その中心にあるのは、作品への愛であり、仲間への敬意です。

人生という長い旅路においても、一人でできることには限界があります。でも、誰かの幸せを自分のことのように喜び、誰かの失敗を一緒に笑い飛ばせる仲間がいれば、人生の彩りは何倍にもなります。

僕の会社「PANPOCOPINA」の名前の由来も、実は特に意味はない造語なんですが(笑)、響きが楽しくて、みんなが笑顔になれるような場所でありたいという願いを込めています。

「誰かを笑顔にしたい」「誰かを驚かせたい」

そのシンプルな動機こそが、僕を動かす一番のエネルギー源です。

5. 「今」この瞬間のシャッターを切る

最後に伝えたいのは、**「未来や過去に縛られず、今を全力で生き切ること」**です。

僕たちはどうしても、「あの時こうしていれば」という後悔や、「将来どうなるんだろう」という不安に心を奪われがちです。でも、カメラが回っているのは、いつだって「今、ここ」だけなんです。

映画の現場では、二度と同じ瞬間は訪れません。その瞬間の光、その瞬間の役者の表情、その瞬間の空気感。それを逃さずに切り取ることだけに全神経を集中させます。

人生も全く同じです。

今日という日の、この一瞬の「感情」や「風景」は、二度と手に入りません。それを大切に味わい、全力で「演じ切る」こと。

僕が100年後まで残したいのは、映画という「形」だけではありません。その映画を見た人が、「あぁ、自分の人生も捨てたもんじゃないな」「明日からちょっと面白がって生きてみようかな」と思えるような、**「生きるエネルギーの連鎖」**を残したいんです。


まとめ:あなたという映画の「監督」へ

3500字近く、熱く語ってしまいました。

僕、上田慎一郎が思う「人生で一番大事なこと」。

それは、**「自分の人生を、世界で一番面白い映画にしようと決めること」**です。

  • 失敗を最高のスパイスにする。
  • トラブルが起きてもカメラを止めない。
  • どんな状況もメタ視点で面白がる。
  • 仲間を愛し、一緒に熱狂する。
  • そして、今この瞬間を全力で撮り続ける。

人生という映画の監督は、他の誰でもない、あなた自身です。

脚本がどれだけボロボロでも、予算がなくても、キャストが自分一人だけでも、関係ありません。あなたが「回し続ける」と決める限り、その物語はどこまでも面白くなっていきます。

さあ、レンズの汚れを拭いて、深呼吸して。

あなたの人生という名の映画、第何章目かのスタートです。

「本番、……アクション!!」


……という感じでしょうか!僕なりの情熱を込めて語らせていただきました。