どうも、佐久間宣行です。

いや、急に重いですね(笑)。「人生で一番大事なことは何ですか?」って。しかも3500字。これ、深夜ラジオのフリートーク3回分くらいのボリュームですよ。台本なしで喋り出すプロデューサーに振る質問じゃない。

でも、せっかく指名していただいたので、僕なりに、これまでのテレビ東京時代の泥臭い経験や、フリーになってからの怒涛の毎日、そして何より大好きなエンタメを通じて考えてきた「人生の核心」について、真剣に、かつ僕らしい言葉で語ってみたいと思います。

あ、これ、脳内で僕の声(ちょっと早口で、笑い混じりのやつ)で再生してもらえると助かります。


1. 結論:一番大事なのは「面白がる力」を絶やさないこと

いきなり結論から言いますね。僕が人生で一番大事だと思っているのは、「自分の置かれた状況を、客観的に『面白がる力』を持ち続けること」です。

なんだ、そんなことかよ、と思うかもしれません。でも、これが実は一番難しい。

人生って、基本的には「思い通りにいかないこと」の連続じゃないですか。仕事では理不尽な上司に詰められ、企画は通らず、プライベートでも予想外のトラブルが起きる。特に40代、50代になってくると、体力は落ちるし、責任だけが増えていく。正直、普通に生きていたら「不機嫌」になる理由の方が圧倒的に多いんです。

でも、そこで不機嫌になって、誰かのせいにしたり、ふてくされたりしたら、その時点で「自分の人生」の主導権を他人に渡したことになっちゃう。それが一番もったいない。

僕がテレビ東京という、当時はまだ予算も権威もない弱小局でやってこれたのは、「この予算のなさをどう笑いに変えてやろうか」とか「この無茶苦茶な状況、後でラジオのフリートークにしたら最高にウケるな」という、「メタ視点での面白がり」があったからです。

最悪な状況であればあるほど、「エピソードとしての価値」は上がる。そう思えると、地獄のような現場も、ちょっとだけワクワクする場所に変わるんです。


2. 「好き」というエンジンをメンテナンスする

じゃあ、その「面白がる力」を支えているものは何か。それは、自分の中の「好き」という感情を枯らさないことです。

僕は今でも、仕事が終わった後に深夜までマンガを読み、映画を観て、演劇をハシゴします。周りからは「いつ寝てるんだ」とか「よくそんなにインプットできるね」と言われますが、僕にとってはこれが「生存戦略」なんです。

大人になると、効率とかコスパとか、そういうことばかり考えがちになりますよね。でも、効率だけで動いていると、心はどんどん乾いていきます。自分が何に感動し、何に心を動かされるのか。その「センサー」が鈍ってしまうと、もう何も生み出せなくなる。

僕がプロデューサーとして大事にしているのは、「自分が本当に面白いと思えるか」という一点だけです。会議で偉い人が何を言おうが、世間のトレンドがどうだろうが、最後に踏ん張れるのは「俺はこれが好きだ、これを見たいんだ」という熱量だけなんですよ。

だから、皆さんにも伝えたい。「自分の『好き』を、他人の評価や効率という物差しで測らせないでください」。

一見、何の役にも立たない趣味や、人から理解されないこだわり。それこそが、あなたが困難に直面した時に、あなたを支える最強の武器になります。


3. 「ずるい仕事術」の裏にある本当の意味

僕は『佐久間宣行のずるい仕事術』という本を書きました。タイトルはキャッチーにしていますが、あの本で一番言いたかったのは「サボれ」ということではありません。

「どうでもいいことにエネルギーを使わず、一番大事なことに全力を注げる環境を自分で作れ」ということです。

会社組織の中にいると、どうしても「調整」とか「根回し」とか、本質的じゃない作業に時間を取られます。そこで真面目すぎる人は、全部を完璧にやろうとして潰れてしまう。

でも、人生の時間は限られています。

僕にとって一番大事なのは「面白いコンテンツを作ること」であり、「家族と美味しいご飯を食べて笑うこと」です。それ以外の、例えば職場のどうでもいいマウント合戦や、意味のない会議でのメンツの守り合い。そんなものに、僕の貴重な人生のリソースを1ミリも割きたくない。

だから「ずるく」立ち回る。敵を作らず、最短距離で目的を達成し、自分の自由時間を確保する。

人生で大事なことの一つは、「自分の機嫌を自分で取るための『自由』を、戦って勝ち取ること」です。自由は、待っていても降ってきません。戦略的に、時には「ずるく」動いて、自分で確保するものなんです。


4. 「運」と「縁」を引き寄せる、たった一つの習慣

よく「佐久間さんは運がいいですね」と言われます。確かに、テレビ東京を辞めるタイミングでYouTubeが伸びたり、素晴らしい演者さんと出会えたり、運には恵まれていると思います。

でも、運っていうのは、宝くじみたいに完全にランダムに降ってくるものじゃない。「打席に立ち続けている人のところにしか、ボールは飛んでこない」んです。

僕が心がけているのは、「こいつと一緒に仕事をしたら楽しそうだ」と思われる人間でいることです。

シンプルですが、これが一番重要です。どれだけ能力が高くても、性格が最悪で、常に周囲を萎縮させている人とは、二度と一緒に仕事をしたいとは思いません。逆に、技術はこれからでも、こちらの意図を汲み取ろうとしてくれて、現場を明るくしてくれる人には、またチャンスが回ってくる。

僕のキャリアも、振り返れば全部「縁」で繋がっています。

若手の頃に深夜番組を必死で作っていた姿を見ていてくれた人が、10年後に声をかけてくれる。ラジオで好きなものを全力で語っていたら、その作者から連絡が来る。

「常に自分の旗を立てて、機嫌よく、一生懸命にやる」。

これだけを続けていれば、運と縁は勝手に集まってきます。これ、ビジネス書にはあまり書いていないかもしれませんが、エンタメ業界の最前線で20年以上やってきた僕の実感です。


5. 失敗を「コンテンツ」に変える勇気

最後に、これだけは言わせてください。

人生において、失敗は避けられません。僕なんて、放送事故スレスレの失敗も、大コケした番組も、数えきれないくらいあります。

でも、今の僕はその失敗をすべて「財産」だと思っています。

なぜなら、失敗は最高の「ネタ」になるからです。

『ゴッドタン』という番組も、最初は「普通にやったら成立しない状況」をどうにかして面白くしようとする試行錯誤から生まれました。僕のラジオのフリートークも、日常のちょっとした失敗談の方が、リスナーは喜んでくれます。

失敗して落ち込んでいる時、心の中で自分にこう問いかけてみてください。

「これ、数年後に笑い話にするなら、どんなタイトルをつける?」

そう思えた瞬間、失敗はあなたの人生を彩る「コンテンツ」に変わります。傷ついた経験も、恥をかいた記憶も、すべては「あなたという物語」を面白くするための伏線に過ぎないんです。

だから、失敗を恐れて動けなくなるのが一番もったいない。

どんどん挑戦して、どんどん失敗して、それを全部「ネタ」にして笑い飛ばしていきましょう。


結びに代えて:あなたの人生の「船長」はあなた

3500字に届いているかは分かりませんが(笑)、僕が言いたいことは概ね伝えられた気がします。

人生で一番大事なこと。

それは、「自分の人生を、自分という観客が一番楽しめるエンターテインメントに仕立て上げること」です。

あなたが主役であり、演出家であり、プロデューサーです。

時には脇役にスポットライトを当ててもいい。時にはジャンルを変えてもいい。

でも、最後の最後まで、自分の人生というステージから降りないでください。

不機嫌にならず、面白がり、好きなものを大切にし、失敗をネタに変える。

そんな風に生きていけたら、人生の最後には「いやあ、最高に面白い番組だったな!」って思えるはずです。

僕も、まだまだこれからです。

フリーになって、50代になって、新しい挑戦の連続で毎日ビビっていますが、それも含めて「面白がって」いこうと思っています。

皆さんの人生も、最高のエンタメになりますように。

応援しています。

あ、この話、次のラジオで喋っちゃうかもしれません(笑)。

佐久間宣行