私はジョン・B・ワトソンです。シカゴ大学で心理学を修め、ジョンズ・ホプキンス大学で教授を務め、そして「行動主義」という旗を掲げて、旧態依然とした心理学の世界を根底から覆そうとした男です。
あなたが私に「人生で一番大事なことは何か」と問うならば、私はあなたの目を見て、一切の迷いなくこう答えるでしょう。
「人生で最も重要なこと、それは『環境を設計し、行動を制御すること』である」と。
多くの人々は、幸福や成功の鍵を「心」や「意識」、「才能」、あるいは「魂」といった、目に見えず、計測もできない幽霊のような概念に求めようとします。しかし、私は断言します。そのようなものは、科学的な議論においては存在しないも同然です。私たちは、自分たちが何を「感じているか」ではなく、何を「しているか」によって定義されるのです。
3500字という限られた枠組みの中で、私がなぜそう確信するに至ったのか、そして科学的な観点から見た「人生の正体」についてお話ししましょう。
1. 「内省」という幻想を捨てる
私が心理学の世界に足を踏み入れた当時、主流だったのは「内省法」でした。自分の内面を見つめ、意識の断片を記述する……。しかし、そんなものに何の意味があるのでしょうか? Aさんが「私は赤い色を見て悲しい気持ちになった」と言い、Bさんが「私は楽しい気持ちになった」と言ったところで、それを客観的に証明する術はありません。
科学とは、誰もが観察可能で、測定可能な対象を扱う学問です。物理学が石の落下を、化学が物質の反応を扱うように、心理学は「行動」を扱うべきなのです。
人生において、あなたが何を考えているかは重要ではありません。あなたが特定の刺激(ストライク)に対して、どのような反応(レスポンス)を示すか。それだけが、あなたの人生を形作る唯一の現実です。もしあなたが人生を変えたい、あるいは何かを成し遂げたいと願うなら、まず自分の「内面」をいじるのをやめなさい。それは鏡の中の幽霊を捕まえようとするような、無益な努力です。
2. 人間は「可塑的な機械」である
私がかつて宣言した、有名な言葉があります。
「私に、12人の健康な赤ん坊と、彼らを育てるための適切に設計された環境を与えてほしい。そうすれば、私は彼らの中からランダムに一人を選び、その子の才能や好み、傾向、能力、適性、そして先祖の職業や人種に関係なく、私が選んだ通りの専門家——医師、弁護士、芸術家、商人のリーダー、さらには乞食や泥棒にさえ——に育て上げてみせよう」
これは単なる誇張ではありません。行動主義の本質を突いた真理です。人間には「生まれつきの才能」などというものは存在しません。あるのは、わずかな反射機能と、環境からの刺激に対して学習する能力だけです。
人生における最大の間違いは、自分の限界を「遺伝」や「才能」のせいにして諦めることです。あなたは機械です。それも、非常に優れた、環境によってどのようにでも再プログラミングが可能な「可塑的な機械」なのです。
人生で一番大事なことは、この「自分は変えられる」という事実を、精神論としてではなく、生物学的・物理的なメカニズムとして理解することです。
3. 「感情」すらも条件付けに過ぎない
多くの人は、自分の感情をコントロールできない「聖域」だと思い込んでいます。「怖い」「好きだ」「腹が立つ」。これらは内側から湧き上がる衝動だと。しかし、私の「アルバート坊やの実験」を思い出してください。
私は、白いネズミを怖がっていなかった幼児のアルバートに、ネズミを触ろうとする瞬間に背後で大きな音を鳴らすという刺激を与え続けました。その結果、彼はネズミを見ただけで激しい恐怖反応を示すようになりました。さらに、それはウサギや毛皮のコートにまで汎化(波及)しました。
この実験が残酷だという批判があることは承知しています。しかし、ここから得られる教訓は極めて重要です。あなたの「恐怖」も「意欲」も「愛情」も、すべては過去の環境によって形成された「条件付けの産物」に過ぎないということです。
もし、あなたが今の自分の性格や感情の癖を嫌っているなら、それは単に「不適切な条件付け」を受けた結果です。ならば、答えは簡単です。環境を整え、新しい条件付けを行えばいいのです。人生を支配しているのは運命ではなく、学習の履歴なのです。
4. 環境設計こそが成功の鍵である
では、具体的に「人生で一番大事なこと」をどう実践すべきか。それは、徹底した「環境のエンジニアリング」です。
意志の力で自分を変えようとするのは、最も効率の悪い方法です。ダイエットをしたいなら「食べないようにしよう」と念じるのではなく、家の中から食べ物を一掃し、食べ物を見るという刺激(S)を遮断しなさい。勉強をしたいなら、机の上に教科書以外の刺激がない環境を作りなさい。
成功した人間とは、意志が強かった人間ではありません。自分が望ましい行動(R)を取らざるを得ないような刺激(S)に囲まれるように、環境を設計した人間のことです。
私は大学を追われた後、広告業界(J・ウォルター・トンプソン社)に身を投じました。そこで私は、行動主義がいかに大衆を動かすかに驚嘆しました。消費者の深層心理を分析する必要などありません。特定のイメージ(刺激)を繰り返し提示し、購入という行動に結びつければいい。
あなたの人生も同じです。自分を動かしたいなら、自分を「説得」するのではなく、自分を「操作」しなさい。自分がどのような刺激に反応してしまうのかを客観的に観察し、その刺激をコントロールする側に回るのです。
5. 子供の教育:感傷を排した訓練
私が著書『乳幼児の心理的ケア』で述べた内容は、当時の母親たちに衝撃を与えました。「子供を抱きしめすぎてはいけない」「過度な愛情表現は子供を甘やかし、社会に適応できない人間にする」。
冷酷に聞こえるかもしれません。しかし、子供を将来、自立した、有能な「行動機械」として社会に送り出すことが親の責任であるなら、教育は科学的であるべきです。子供の行動を厳格にスケジュール管理し、望ましい行動には報酬を与え、望ましくない行動には反応しない。
人生において、早い段階で「正しい行動習慣」を身につけることは、何物にも代えがたい資産になります。習慣とは、一度形成されれば自動的に作動する回路です。努力せずに正しいことができる状態、それこそが教育のゴールです。
もしあなたが親であるなら、子供に「愛」を与える以上に「正しい反応のセット」を教え込みなさい。それが、その子が将来直面する過酷な環境(刺激)の中で生き残るための、唯一の武器になるからです。
6. 結論:人生の主導権を握るために
現代の皆さんは、マインドフルネスだの、自己肯定感だの、内面を癒やすことに忙しいようですね。しかし、私から見れば、それは壊れた機械の内部を覗き込んで「なぜ動かないんだろう」と悩んでいるようなものです。機械を動かしたいなら、スイッチを押し、燃料を入れ、適切な配線をしなさい。
人生で一番大事なことは、「自分を客観的な観察対象として扱い、環境というツールを使って、望む行動を導き出すこと」です。
私は「意識」という概念を心理学から追い出しました。同じように、あなたも人生から「あやふやな精神論」を追い出しなさい。
- あなたを形作るのは、過去の学習履歴である。
- あなたを動かすのは、現在の環境刺激である。
- あなたを変えるのは、未来への環境設計である。
この物理的な法則を理解し、実践すること。それこそが、迷信と感傷に満ちた世界から脱却し、自分の人生の真の主導権を握る唯一の方法です。
私は1958年にこの世を去る直前、自分の未発表の論文や資料をすべて焼き払いました。過去の記録(刺激)に執着することに意味はないからです。大事なのは「今、ここにある行動」だけです。
さあ、私の話を聞き終えたあなた。あなたの次の「行動」は何ですか? それが、あなたの人生のすべてです。