あら、皆さん、こんにちは。尾木ママこと、尾木直樹よ。

今日は「人生で一番大事なことは何ですか?」という、とっても深くて、でもとっても素敵な問いかけをいただいたわね。3500字程度という長丁場だけれど、私のこれまでの79年の人生、そして22年間の教員生活、さらにその後の教育評論家としての歩みの中で辿り着いた「魂の答え」を、心を込めてお話しさせてもらうわね。

お茶でも飲みながら、ゆっくり、ゆったりとした気持ちで読んでくださると嬉しいわ。


「ありのままの自分」を丸ごと抱きしめること

人生で一番大事なこと。それはね、結論から言ってしまうと、「自己肯定感」、つまり「ありのままの自分を丸ごと愛し、認めること」だと私は確信しているの。

「なーんだ、そんなこと?」なんて思わないでね。これが実は、現代の日本人にとって一番難しくて、でも一番欠かせない「心の根っこ」なのよ。

今の日本社会はね、どうしても「評価」の社会でしょう? 成績がいい、偏差値が高い、有名な大学に入った、大企業に勤めている、年収が高い、結婚している、子どもがいる……。常に外側の「物差し」で測られて、その物差しに自分を合わせようとしてみんな必死なの。

でもね、そうやって外側の基準で自分をジャッジしている限り、本当の意味での幸せは手に入らないのよ。なぜなら、その物差しは自分のものではないから。

私は教師時代、たくさんの子どもたちを見てきたわ。成績が優秀で、親の期待に応え続けている「いい子」ほど、実は心がボロボロで、ふとした瞬間にポキッと折れてしまう姿を何度も見てきたの。彼らは「何かができる自分」は認めていても、「何もできない自分」を許せなかったのね。

人生にはね、晴れの日もあれば、土砂降りの雨の日もあるわ。成功して拍手喝采を浴びる時もあれば、失敗して泥にまみれる時もある。そんな時、どんな状態の自分であっても「まあ、これが私よね」「こんな私も悪くないわ」と、自分自身の一番の味方でいてあげられること。この「心の安全基地」を自分の中に持っていることが、生きていく上での最強の武器になるのよ。

「共感」という心の絆を育む

自分を認められるようになると、次に大事になってくるのが「他者への共感」よ。

私たちは一人では生きていけないわ。人間という字は「人の間」と書くでしょう? 誰かと繋がり、支え合って生きるのが人間の本質なの大切なのは「指導」や「教育」ではなく「共感」なの。

私は「尾木ママ」として活動するようになってから、言葉遣いも物腰も柔らかくなったと言われるけれど、それはね、「相手と同じ目線に立ちたい」という想いの表れなの。上から目線で「こうしなさい」「ああしなさい」とアドバイスするのではなく、「そうよね、辛かったわね」「それは嬉しいわね」と、相手の心の震えをそのまま受け止める。

この「共感」こそが、冷え切った人間関係や社会を温め直す魔法の力になるのよ。

今の世の中、みんな自分の正義を振りかざして、相手を攻撃することに躍起になっている気がするわ。SNSを見ても、誰かの欠点を探して叩くような空気が溢れている。でもね、相手を叩いても自分の幸せは増えないの。むしろ、相手の痛みを感じ取れる豊かな感性を持つこと、そして「あなたはあなたでいいのよ」と認め合える関係を築くこと。それが、人生を豊かにする最高のスパイスになるの。

「遊び」と「ときめき」を忘れない

さて、三つ目に大事なこと。それはね、「遊び心」と「ときめき」よ。

これはね、私が「尾木ママ」になってから特に強く感じていることなの。教育の現場にいた頃の私は、どこか肩に力が入っていたわ。「正しく導かなきゃ」「立派な大人にしなきゃ」ってね。でも、還暦を過ぎてから、もっと自由に、もっと楽しく生きていいんだって気づいたの。

「無駄」だと思われることの中にこそ、人生の宝物が隠れているのよ。

例えば、綺麗な花を見て「あら、素敵!」とときめく心。美味しいスイーツを食べて「幸せ〜!」ととろける時間。趣味に没頭して、時間を忘れて楽しむこと。これらは一見、生産性がないように見えるけれど、実は私たちの「命のエネルギー」をチャージしてくれる大切な儀式なの。

今の教育も社会も、効率ばかりを求めすぎて「遊び」を排除してしまった。でも、遊びがない人生なんて、潤いのない砂漠のようなものよ。いくつになっても新しいことにワクワクし、好奇心を持って「これって何かしら?」「面白そう!」と飛び込んでいく。その「ときめき」が、脳を活性化させ、心を若々しく保ってくれるの。

私はね、Instagramを始めたり、新しいファッションに挑戦したりするのが大好きなの。周りから「お歳なのに」なんて言われても気にしないわ。だって、私の人生の主役は私なんですもの! 皆さんも、自分の心が「ピカッ」と光る瞬間を大切にしてね。

「失敗」は成長のための宝物

人生で大事なこととして、もう一つ外せないのが「失敗を恐れないこと」と「待つこと」よ。

最近の親御さんや若者を見ていると、失敗をものすごく怖がっているように感じるわ。「最短距離で正解に辿り着かなければならない」という強迫観念に囚われているみたい。

でもね、教育の専門家としてあえて言わせてもらうわ。「失敗は、成長のための最高のビタミン」なのよ!

転んだことがない人は、転んだ時の痛みがわからない。痛みがわからない人は、他人の痛みにも鈍感になってしまう。そして、立ち上がり方も学べない。

人生のどん底にいる時、そこは「おしまい」の場所じゃないの。そこは「新しい自分に生まれ変わるための土壌」なのよ。芽が出るまでには時間がかかる。冬の寒い時期にじっと根を張る時間が必要なの。

だから、自分に対しても、周りの人に対しても「待つ」という優しさを持ってほしいの。すぐに結果を求めない。焦らない。今はダメでも、いつか必ず花開く時が来ると信じて、温かく見守る。この「信じて待つ」という行為は、実は一番エネルギーが必要なことだけれど、それこそが深い愛そのものなのよ。

「言葉」の力を信じる

最後に、私がどうしても伝えたいのは「言葉の力」についてよ。

言葉は、時に人を傷つける刃物にもなるけれど、時に絶望の淵にいる人を救い出す光にもなるわ。私は教師時代から、言葉の持つ魔法を信じてきたの。

自分に対しても、他人に対しても、できるだけ「プラスの言葉」「温かい言葉」をかけてあげてほしいの。「ありがとう」「助かったわ」「大好きよ」「あなたは素晴らしいわ」。

特に、自分自身にかける言葉(セルフ・トーク)を意識してみて。朝、鏡を見て「今日もいい顔してるわね」と言ってあげる。失敗した時に「次は大丈夫、いい勉強になったわ」と励ましてあげる。

言葉が変われば、意識が変わる。意識が変われば、行動が変わる。そして行動が変われば、運命だって変わっていくのよ。


結びに代えて:あなたの人生は、あなたのもの

3500字という限られた中では語り尽くせないけれど、私がお伝えしたかった「人生で一番大事なこと」をまとめるとね、こういうことになるわ。

「どんな自分であっても、世界にたった一人の大切な存在として慈しみ、好奇心という翼を広げて、共感の絆の中で伸びやかに生きていくこと」

人生に「正解」なんてないの。誰かが決めた「幸せの形」に自分をはめ込む必要なんて、さらさらないわ。

もし今、あなたが何かに悩み、立ち止まっているとしたら、自分を責めないで。「あらあら、今はちょっと休憩の時間なのね」って、自分に優しく言ってあげてね。そして、空を見上げて深呼吸をしてみて。

あなたの人生は、他の誰のものでもない、あなただけの物語なの。その物語を、どんな色で塗っていくかは、あなたの自由よ。派手な色でも、地味な色でも、あなたが「これがいい!」と思えば、それが最高の色なの。

私はこれからも、教育評論家として、そして一人の「ママ」として、頑張りすぎている皆さんの心をふんわりと包み込んであげたいと思っているわ。

大丈夫。あなたは、そのままで十分素晴らしい。

そのことを、どうか忘れないでいてね。

愛を込めて。

尾木直樹(尾木ママ)より