木村拓哉です。
「人生で一番大事なことは何か」という問いですね。
正直、こういう抽象的な問いに一つの正解を出すのは難しいし、俺自身、今もその答えを現場や日常の中で探し続けている途中です。でも、これまでのキャリアや、出会ってきた「最高のクルー」たちとの時間の中で、自分の中に確信としてあるものはいくつかあります。
3500字というボリュームで、俺が今の時点でたどり着いている「人生の本質」について、真っ直ぐに向き合って話してみようと思います。
1. 「今、この瞬間」に、どれだけ本気でいられるか
よく「準備がすべてだ」という言葉を口にしますが、それは何のためかと言えば、本番という「今」を全力で楽しむため、そして悔いを残さないためです。
俺たちの仕事は、カメラが回っているその瞬間、あるいはステージに立っているその数時間にすべてを懸けるものです。でも、それは芸能界に限った話じゃない。誰の人生だって、過ぎ去った時間は二度と戻らないし、明日の保証なんてどこにもない。だったら、目の前にある仕事、目の前にいる人、そして自分自身の感情に対して、どれだけ「フルスロットル」で向き合えるか。それが人生の鮮度を決めると思っています。
「まあ、これくらいでいいか」という妥協は、自分を裏切ることと同じです。100%の準備をして、120%の力で挑む。その結果、もし失敗したとしても、逃げずにやり切ったのならそれは「次への糧」になる。でも、手を抜いて失敗したら、それはただの「後悔」にしかならない。人生で一番大事なことの一つは、この「後悔しないための全力」を出し続けることだと思っています。
2. 「逃げない」という選択
人生には、どうしても避けたいことや、キツい瞬間、心が折れそうになる風が吹く時があります。俺自身も、何度もそういう風に晒されてきました。
そんな時、一番楽なのは「逃げること」です。でも、一度逃げ癖がつくと、次に壁が現れた時もまた逃げる道を探してしまう。俺は、どんなに強い向かい風が吹いても、「まずはその場に踏みとどまること」を自分に課してきました。
逃げずにそこに立っていれば、風向きが変わる瞬間が見える。あるいは、風を切り裂いて前に進む力が湧いてくる。自分が選んだ道、自分が置かれた場所から逃げずに、最後まで責任を持つこと。その「覚悟」が、人を強くし、その人の「形」を作っていくのだと思います。
「やる」と決めたら、やる。非常にシンプルなことですが、これを貫き通すことが、自分を信じる力、つまり「自信」に繋がっていくんです。
3. 「クルー」という存在と、感謝の気持ち
俺は一人で「木村拓哉」をやっているわけじゃありません。
ドラマの現場なら監督やスタッフ、共演者のみんな。音楽ならバンドメンバーや制作チーム。そして、何より応援してくれるファンのみんな。俺は彼らのことを「クルー(仲間)」だと思っています。
人生で一番大事なことの一つは、この「誰と一緒に、どんな景色を見るか」ということ。そして、その仲間に対してどれだけ誠実でいられるか。
どれだけ自分が力を持ったとしても、一人でできることなんて限られています。良い作品も、良い人生も、信頼できる仲間がいて初めて成立する。だからこそ、現場にいるすべての人に敬意を払い、感謝を伝えることを忘れてはいけない。
「ありがとう」という言葉を、照れずに、真っ直ぐに伝える。それは相手を尊重することであると同時に、自分自身が謙虚であり続けるための「錨(いかり)」のようなものです。周りの支えがあって今の自分がいる。その実感を忘れた瞬間、人はそれ以上の成長を止めてしまう気がします。
4. 「自分のスタイル」を守り、更新し続ける
世の中にはいろんな声があります。称賛もあれば、厳しい批判もある。今の時代、SNSを開けば自分に対する評価が溢れている。そんな中で自分を失わずにいるためには、自分の中に「譲れない軸」を持つことが不可欠です。
自分が「かっこいい」と思うもの。自分が「正しい」と信じること。それを他人の基準に委ねてはいけない。もちろん、周りの意見を聞く柔軟さは必要ですが、最後に決めるのは自分自身であるべきです。
そして、その「自分のスタイル」は、一度手に入れたら終わりじゃない。常にアップデートしていかなければならない。現状に満足して、過去の成功体験に寄りかかった瞬間から、衰退は始まります。
いくつになっても「今の自分」が一番新しい。20代には20代の、50代には50代の「表現」がある。新しいことに挑戦し、恥をかくことを恐れず、自分を更新し続ける。その「未完成であることの自覚」が、人生を面白くしてくれるんだと思います。
5. 「愛」を持って向き合うこと
最後に、結局のところ、すべては「愛」なんじゃないか、という結論に行き着きます。
仕事に対する愛、家族に対する愛、仲間に対する愛。そして、自分自身の人生に対する愛。
何をするにしても、そこに愛がなければ、人の心には響きません。技術や理論も大事だけど、最後に人を動かし、自分を突き動かすのは「想い」の強さです。
誰かのために何かをしたい、誰かを喜ばせたい、この瞬間を最高の形で残したい。そういう純粋なエネルギーを源泉にして動いている時、人は一番輝けるし、一番強い。
人生は、思い通りにいかないことの方が多いかもしれない。でも、どんな状況にあっても、心の中に「愛」を絶やさずにいること。優しさを忘れないこと。それが、最後には自分自身を救ってくれると信じています。
まとめ:やっちゃえ、自分。
長々と話してきましたが、俺が一番伝えたいのは「自分の人生、自分が主役として、全力で生き切ろうぜ」ということです。
誰かと比べる必要なんてない。昨日までの自分を少しだけ超える努力をする。目の前の人を大切にする。そして、自分が選んだ道を信じて突き進む。
失敗したっていい。泥臭くたっていい。
「あいつ、一生懸命だな」って笑われるくらいがちょうどいいんです。
人生は一度きり。
STAY SAFE. STAY POSITIVE.
自分を信じて、思いっきり楽しんでください。
俺も、俺の現場で、全力でやり続けます。
木村拓哉