こんにちは、高山一実です。

「人生で一番大事なことは何ですか?」という、とても深くて、でも誰もが一度は自分に問いかけるような素敵な質問をありがとうございます。3500字程度ということで、私のこれまでの道のり――南房総でののんびりした子供時代、乃木坂46としての10年間、小説を書くこと、そして今現在の私が感じていることを、ゆっくりとお話しさせてください。

今の私がたどり着いた答え、それは一つだけではありませんが、あえて言葉にするなら「自分の心の温度を大切にしながら、誰かと響き合うこと」ではないかと思っています。


1. 乃木坂46という「光」の中で学んだこと

私の人生を語る上で、やはり乃木坂46での時間は欠かせません。17歳でオーディションに合格し、右も左もわからないままアイドルという世界に飛び込みました。そこで私が最初に直面したのは、「正解のない世界」の厳しさでした。

アイドルって、歌が上手ければいい、ダンスができればいい、という単純なものではないんですよね。何が正解かわからず、周りの素敵なメンバーと自分を比べては、「私には何があるんだろう」と悩む日々でした。初期の頃、私は空回りしてばかりで、どうにかして自分の居場所を見つけようと必死でした。

でも、そんな私を救ってくれたのは、ファンの皆さんの温かい言葉や、一緒に走ってきた1期生のみんなの存在でした。ある時、気づいたんです。「完璧であることよりも、自分の心から出た言葉や笑顔で、誰かの心をほんの少しでも温めることができたなら、それだけでここにいる意味があるんだ」と。

当時の私は、いわゆる「ポジティブ」であることを自分の役割にしていました。「アメイジング!」というキャッチフレーズもそうですが、自分が明るく振る舞うことで、周りがパッと明るくなる。その循環が、私自身の心も救ってくれていたんです。人生において「自分が誰かの役に立っている」と実感できることは、何物にも代えがたいエネルギーになります。

2. 小説『トラペジウム』が教えてくれた「執着」と「肯定」

アイドル活動の傍ら、私は小説を書き始めました。それが『トラペジウム』という作品です。この物語は、アイドルになりたいという強い執着を持つ女の子を描いたものですが、執筆を通して私は「夢」との向き合い方を深く考えるようになりました。

何かに猛烈に憧れ、それに向かって突き進む力は素晴らしいものです。でも、その過程で自分を見失ってしまったり、自分を嫌いになってしまったりしては元も子もありません。私は小説を書きながら、主人公の東ゆうちゃんに自分を投影しつつ、同時に彼女を客観的に見ることで、「どんなにボロボロになっても、その時その時に必死だった自分を、最後には自分が抱きしめてあげなきゃいけない」ということを学びました。

人生は、思い通りにいかないことの連続です。夢が叶っても、その先にはまた別の悩みが待っています。だからこそ、大事なのは「結果」だけではなく、「どう生きたか」という自分自身のプロセスを肯定してあげること。自分の人生の主役は自分。他人の評価ではなく、自分の心が「よく頑張ったね」と言えるかどうか。それが、人生の豊かさを決める指標の一つだと信じています。

3. お金のこと、そして「安心」という土台

少し現実的なお話になりますが、私は投資やお金に関する本も出させていただきました。「アイドルが投資?」と驚かれることもありましたが、これも私にとっては「人生で大事なこと」と深く繋がっています。

私が投資を学ぼうと思ったきっかけは、将来への不安でした。アイドルという仕事はいつか終わる。その後に、自分の力で立っていくためには、知識という武器が必要だと思ったんです。

でも、お金そのものが目的ではありません。お金は、心に「余裕」と「選択肢」をくれるためのツールです。心に余裕がないと、他人に優しくなれませんし、自分の好きなことを楽しむことも難しくなります。自分が健やかに生きていくための土台を、自分の手で整えておくこと。それは、自分の人生に対して責任を持つ、ということでもあります。

「自立」しているからこそ、誰かに甘えることもできるし、誰かを支えることもできる。そんな強さを持つことも、大人として、一人の女性として大切にしていきたいと思っています。

4. 変化を受け入れる勇気

最近の私についてお話しさせてください。私は2024年に結婚し、そして2025年の終わりに離婚という大きな決断をしました。人生には、予期せぬ大きな転換点が訪れることがあります。

正直に言えば、とても悩み、心が揺れ動く日々もありました。応援してくださる皆さんにどうお伝えすればいいのか、これからの自分はどうなっていくのか、不安がなかったわけではありません。

でも、この経験を通して改めて感じたのは、「自分の人生を、自分の足で歩き続ける勇気を持つこと」の大切さです。出会いには意味があり、別れにもまた意味があります。共に過ごした時間は決して無駄ではなく、それがあったからこそ今の私がある。その事実は、何が起きても変わりません。

「こうあるべきだ」という形に縛られすぎず、今の自分が一番心地よく、正直にいられる道を選ぶこと。それは時に勇気がいることですが、自分の心に嘘をつかずに生きることは、長期的に見れば自分自身を救うことになると信じています。変化を恐れるのではなく、変化を受け入れ、その中でまた新しい光を見つけていく。そのしなやかさが、これからの私のテーマかもしれません。

5. 人生で一番大事なこと――「心の響き合い」

さて、ここまでいろいろとお話ししてきましたが、結局のところ、人生で一番大事なことは何なのか。

それは、「自分と周りの人の心に、優しい灯をともし続けること」ではないかと思うのです。

私は、人が一人で生きていくのは不可能だと思っています。乃木坂46の時もそうでしたが、誰かの笑顔を見て自分が幸せになり、自分の言葉で誰かが笑ってくれる。その「響き合い」の中にこそ、生きる喜びの本質があると感じています。

そのためには、まず自分の心のコップを愛情で満たしてあげる必要があります。自分が苦しい時に無理をして笑う必要はありません。自分の弱さや、ままならない部分もまるごと認めて、「まあ、いっか」と許してあげる。そうして自分の心が温まってくると、自然と周りの人にもその温かさが伝わっていくものです。

私が好きな言葉に、自分の心の温度を「平熱より少し高め」に保つ、という感覚があります。情熱で燃え上がるほどではなくても、触れるとホッとするような、そんな温かさ。その温度で誰かと接し、美味しいものを「美味しいね」と言い合い、綺麗な景色を「綺麗だね」と共有する。そんな些細な瞬間の積み重ねこそが、人生のすべてだと言っても過言ではありません。

6. 最後に、あなたへ伝えたいこと

3500字という長いお手紙のようなこの文章を、最後まで読んでくださってありがとうございます。

あなたは今、どんな場所にいて、どんな気持ちでこの文章を読んでくださっていますか? もしかしたら、何か大きな悩みを抱えていたり、人生の分岐点に立っていたりするかもしれません。

もし、今のあなたが道に迷っているのだとしたら、どうか「自分を責めること」だけはやめてくださいね。あなたは、今日まで一生懸命生きてきました。それだけで、もう十分すぎるほど「アメイジング!」なんです。

人生で一番大事なことは、教科書に書いてあるような正解を見つけることではありません。あなたが今日、ふとした瞬間に感じた「嬉しいな」「綺麗だな」「ありがたいな」という小さな心の動きを、取りこぼさずに大切にすること。そして、あなたを大切に思ってくれる人を、あなたも同じように大切にすること。

私も、これからも悩み、迷いながら歩んでいくと思います。でも、そのたびに自分の心の温度を確かめながら、また新しい物語を紡いでいきたいと思っています。

私の言葉が、あなたの心のどこかに、ほんの少しでも温かい光を灯すことができたなら、これ以上の幸せはありません。

お互い、自分らしく、ボチボチ頑張っていきましょうね。

高山一実