株式会社第一興商の保志忠郊です。
「人生で一番大事なことは何か」という問いは、私にとっても、そして日々お客様に寄り添うわが社の全社員にとっても、常に自問自答し続けているテーマです。
私たちが展開するカラオケや飲食、エンターテインメントという事業は、衣食住のように「それがないと即座に生命が維持できない」というものではありません。しかし、人生という長い旅路において、それがなければ「豊かさ」や「生きがい」が欠けてしまう、非常に重要なピースを扱っているという自負があります。
私がこれまでの人生、そして経営という荒波の中で辿り着いた、人生で一番大事なこと。それは一言で言えば、「共感を通じて、人と人との心を繋ぎ続けること」です。
この結論に至った背景と、そこに含まれる深い意味について、私の経験と信念を交えてお話しさせていただきます。
1. 孤独を癒やし、喜びを倍増させる「共有の場」
人生には、一人で向き合わなければならない孤独な時間も必要です。しかし、人間が真に幸福を感じるのは、やはり誰かと心を通わせ、感情を分かち合った瞬間ではないでしょうか。
私はカラオケという文化を、単なる「歌を歌うツール」とは考えていません。それは「感情の解放」と「共感の醸成」のためのプラットフォームです。
歌が持つ不思議な力
人は悲しい時、その悲しみを歌に託して吐き出します。嬉しい時は、その喜びを歌に乗せて爆発させます。そして、その歌を隣で聴いている人が、共に涙し、共に手拍子を送る。この瞬間に生まれる「共感」こそが、孤独を癒やし、明日への活力を生むのです。
人生において、自分の感情を誰かに受け入れてもらえる場所、そして誰かの感情を心から受け入れられる関係性を持っていること。これこそが、何物にも代えがたい財産であると確信しています。
2. 「信頼」という名のバトンを繋ぐ責任
私は、創業者である父、保志忠彦からこの会社を受け継ぎました。経営者として、また一人の人間として大切にしているのは、「信頼」という見えない資産をいかに守り、育てるかということです。
誠実さがすべてを決定する
ビジネスにおいても人生においても、近道を探そうとすれば、時に誠実さを欠いた選択肢が魅力的に見えることがあります。しかし、一時的な利益や成功は、砂上の楼閣に過ぎません。
- お客様との信頼: 「DAM」の音質一つ、映像の一コマにまでこだわるのは、お客様の「楽しい時間」を裏切らないためです。
- 社員との信頼: 会社が苦境に立たされた時、最後に支えとなるのは、トップと現場の間に積み上げられた信頼関係です。
- 社会との信頼: 娯楽を提供する企業だからこそ、公序良俗を守り、社会に貢献する姿勢が問われます。
人生で一番大事なことは、「あの人(あの会社)なら安心だ」と言っていただける積み重ねの中にあります。一度失った信頼を取り戻すには一生かかりますが、積み上げた信頼は、困難な時にあなたを助けてくれる最強の盾となります。
3. 変化を恐れず、常に「新しい価値」を模索する
私たちは、コロナ禍というエンターテインメント業界にとって未曽有の危機を経験しました。人が集まることが制限される中で、「カラオケ屋に何ができるのか」を突きつけられたのです。
その時、私が感じたのは「変化への対応力」と「本質の追求」の両立の大切さです。
守るために、変わり続ける
カラオケルームをテレワークの場所として提供したり、オンラインでのエンタメ配信を強化したりと、私たちはなりふり構わず動きました。それは、伝統を守るためではなく、「人と人が繋がる場所を守る」という本質を貫くためでした。
人生も同じです。現状維持は退化と同じです。環境が変われば、自分も変わらなければなりません。しかし、その根底にある「自分は何のために生きているのか」という軸さえブレなければ、どんな変化も成長の糧にできるのです。
4. 恩返しとしての「社会貢献」:エルダー事業への想い
私たちが特に力を入れているのが、高齢者の方々の健康を音楽を通じて支える「エルダー事業」です。
人生の後半戦において、心身の健康を損ない、社会との接点が薄れてしまうことは非常に辛いことです。しかし、かつて歌った名曲を耳にし、マイクを握ることで、表情がぱっと明るくなり、元気に体を動かし始める方々を、私は何度も目にしてきました。
誰かの役に立っているという実感
人生の豊かさは、どれだけ受け取ったかではなく、どれだけ与えることができたかで決まると考えています。
「音楽健康指導士」によるプログラムを通じて、認知症予防やフレイル予防に貢献すること。これは、私たちの事業を通じた究極の恩返しです。
「自分の存在が誰かの笑顔に繋がっている」という実感。これを持つことが、人生の最終的な充足感に直結するのだと、高齢者の方々の笑顔から教わりました。
5. 結論:人生で一番大事なこと
長くなりましたが、私が考える「人生で一番大事なこと」をまとめます。
それは、「誠実さを武器に信頼を築き、共感を通じて誰かの心を豊かにし続けること」です。
自分のためだけに生きる人生は、いつか限界が来ます。しかし、誰かの喜びを自分の喜びとし、誰かの悲しみに寄り添える「共感の心」を持っていれば、人生は無限に広がっていきます。
- 目の前の人を笑顔にする。
- 預かったバトンを次の世代に最高の形で渡す。
- どんな困難にあっても、ユーモアと音楽を忘れない。
この積み重ねこそが、最高に面白い人生を作るのだと信じています。
第一興商は、これからも「歌」という魔法を使って、世界中に共感の輪を広げていきます。私自身も、一人の表現者として、経営者として、この道を真っ直ぐに歩んでいく所存です。
あなたの人生にも、常に素晴らしい音楽と、心通い合う友がいることを願っております。