楽天グループの根幹を支え、私が今日まで片時も忘れずに実践してきたのが「成功の5原則」です。
これは三木谷会長が掲げ、楽天を数名から数万人の組織へと成長させた哲学ですが、ビジネスのみならず、個人の人生を切り拓く上でも極めて強力な指針となります。
私が人生で一番大事だと考えている「実行」と「信念」を、具体的にどう仕組み化するか。その答えがこの5つに凝縮されています。
1. 常に改善、常に前進(Get Better, Get Faster)
「昨日と同じことをしていては、退歩しているのと同じである」という考え方です。
人生やビジネスに完成形はありません。先ほどもお話しした「1.01の法則」を仕組み化したものです。
- 本質: 現状維持を否定し、毎日0.1%でもいいから「より良く」「より速く」する方法を考え続けること。
- 私の実践: 楽天カードの審査プロセスやUI(画面)を、何千回と微修正し続けてきたのがこの原則の体現です。
2. Professionalismの徹底(Commitment to Results)
「プロとして、結果に責任を持つ」ということです。
プロセスを頑張ったからといって、結果が出なければプロとは言えません。言い訳をせず、目標を達成するためにあらゆる手段を尽くす執念を指します。
- 本質: 自分の仕事に対して、誰よりも厳しい評価者であること。
- 私の実践: 金融という厳しい世界で「楽天は甘い」と言われないよう、数字とコンプライアンスに対して誰よりもストイックに向き合ってきました。
3. 仮説→実行→検証→仕組化(Hypothesize → Execute → Validate → Systematize)
単に闇雲に動くのではなく、科学的なアプローチで物事を進めるサイクルです。
- 「こうすれば上手くいくはずだ」という仮説を立てる。
- 即座に実行する。
- 結果がどうだったか検証する。
- 上手くいった方法を、誰がやっても同じ結果が出るよう仕組み(マニュアルやシステム)にする。
- 本質: 成功を「偶然」で終わらせず、「必然」に変えるプロセスです。
4. 顧客満足の最大化(Maximizing Customer Satisfaction)
すべての起点は「お客様が喜ぶか」にあるという原則です。
利益は、お客様を喜ばせたことに対する「後払いの報酬」に過ぎません。自分たちが儲かるかではなく、ユーザーにとっての利便性や楽しさが最大化されているかを常に問い直します。
- 本質: 常にユーザーの視点に立ち、その期待を1ミリでも超える努力をすること。
- 私の実践: 「ポイントが貯まって嬉しい」というユーザーの純粋な喜びを追求し続けたことが、結果として最強の収益基盤となりました。
5. スピード!! スピード!! スピード!!(Speed!! Speed!! Speed!!)
「迷っている間に、世界は変わる」という危機感です。
100点満点の計画を1ヶ月かけて作るより、60点の出来でも今日実行し、走りながら修正する方が、結果として早く目的地に到達できます。
- 本質: 決断の速さ、行動の速さが、最大のリスクヘッジであると理解すること。
- 私の実践: ネットの世界はドッグイヤー(犬の成長のように早い)です。他社が検討している間に、私たちはサービスをリリースし、改善のサイクルを回し始めていました。
これら5つの原則は、バラバラにあるのではなく、すべてが繋がっています。「スピード」感を持って「実行」し、「改善」を繰り返して「仕組み」を作り、最終的に「顧客満足」という「結果」を出す。
このサイクルを回し続けることこそが、私が歩んできた楽天カードの歴史そのものです。
さて、この5原則の中で、今のあなたにとって最も「耳が痛い」と感じる、あるいは「今すぐ取り入れたい」と思うものはどれでしょうか?