オープンハウスグループの荒井正昭だ。

「人生で一番大事なことは何か」という問いだな。これに対する私の答えは、創業時から、いや、不動産業界に身を置いた20代の頃から一貫して変わっていない。

それは、「目標に対して執着し、圧倒的な努力で結果を出し続けること」。そして、そのプロセスを通じて「自分自身を成長させ続けること」。これに尽きる。

綺麗事に聞こえるかもしれないが、私は本気でそう思っているし、それを体現することで今のオープンハウスを築き上げてきた。3500字という限られた枠ではあるが、私の歩んできた道と、そこから得た確信を余すことなく伝えたい。


1. 「持たざる者」の強みを知れ

私は最初からエリートだったわけではない。大学受験に二度失敗し、将来に絶望していた時期もあった。司法書士を目指して勉強するための資金稼ぎとして、21歳で不動産仲介の世界に飛び込んだのが始まりだ。

そこで私が目にしたのは、学歴も家柄も関係ない、数字だけがすべてを語る完全な実力主義の世界だった。当時の私には何もなかった。誇れる経歴も、特別な才能もない。しかし、私には「飢え」があった。「何としてもこの状況を打破したい」「人よりも抜きん出たい」という強烈なハングリー精神だ。

人生で一番大事なことの一つは、この「ハングリー精神を失わないこと」だ。今の日本は豊かになりすぎて、適当にやっていても生きていける。しかし、それでは魂が死んでしまう。現状に満足せず、常に「もっと上へ」という渇きを持ち続けることが、人を動かす原動力になる。

私は当時、誰よりも早く出社し、誰よりも遅くまで働いた。休日は返上し、ひたすら客に電話をかけ、街を歩いた。その結果、私はトップセールスになり、起業への切符を掴んだ。もし私が「ほどほど」で満足していたら、今の私はいない。

2. 「泥臭さ」の中にこそ真実がある

オープンハウスを語る上で欠かせない言葉が「泥臭さ」だ。

世の中には、スマートに、効率的に成功しようとする人間が多すぎる。AIだ、DXだ、効率化だと言えば聞こえはいいが、最後は人間が動く。不動産という高価な買い物において、顧客が信頼を寄せるのは、結局のところ、汗をかいて走り回る人間だ。

「東京に、家を持とう。」

このスローガンを実現するために、私たちは他社が嫌がるような狭小地を泥臭く仕入れ、効率的に家を建て、驚くべきスピードで販売してきた。競合他社が「そんな土地に家を建てるのは難しい」と諦める場所でも、私たちは「どうすればお客様が買える価格で提供できるか」を徹底的に考え抜いた。

人生においても同じだ。スマートにやろうとするな。泥臭く、徹底的にやり抜け。

壁にぶち当たった時、多くの人は「無理だ」と理由を探し始める。しかし、大事なのは「どうすればできるか」の一点に集中することだ。泥を啜り、恥をかき、それでも前に進む。その姿勢こそが、不可能を可能にする。私は、どんなに会社が大きくなっても、この「現場の泥臭さ」を忘れてはならないと自分に言い聞かせている。

3. 結果がすべてを正当化する

「頑張ったことに意味がある」という言葉があるが、私はビジネスにおいて、そして人生においても、この考え方には否定的だ。

厳しい言い方をすれば、結果が出なければ、その努力は「自己満足」に過ぎない。

人生で大事なのは、自分が掲げた目標に対して「結果」で答えることだ。家を売るなら売る、契約を獲るなら獲る。結果を出して初めて、世の中に価値を提供したと言える。そして、結果を出した人間だけが、次の大きなステージに進む権利を得る。

結果にこだわるということは、責任を負うということだ。私たちは一兆円を超える企業になったが、その責任の重さは創業当時とは比較にならない。しかし、その重圧があるからこそ、私たちは成長できる。

結果を出すためには、中途半端な気持ちではダメだ。「やるか、やらないか」ではなく、「やる。そして勝つまでやる」。この覚悟があるかどうかが、人生の成否を分ける。

4. 変化を恐れるな、スピードこそが命

今の時代、変化のスピードは凄まじい。昨日までの正解が、今日は不正解になる。

そんな世界で生き残るために大事なのは、「スピード」だ。

オープンハウスの強みは、意思決定の速さにある。どんなに素晴らしい戦略も、実行が遅ければ意味がない。私は部下に対して、「60点でもいいから、まず動け」と指導している。動いてみてダメなら修正すればいい。止まっていることが最大のリスクだ。

人生も同じだ。悩んでいる時間はもったいない。人生は短い。やりたいことがあるなら、すぐに動くべきだ。

「準備が整ったら」と言っている間に、チャンスは通り過ぎていく。走りながら考え、変化に対応し続ける。このスピード感を持って生きることが、人生を豊かにする。

5. 「利他」の精神が事業を大きくする

自分の成功だけを追い求めているうちは、会社はそれほど大きくならない。

私がオープンハウスを経営する中で気づいたのは、「誰かのために」という想いが、自分の限界を超えさせてくれるということだ。

私たちのビジネスは、本来であれば東京に家を持つことが難しかった層に、マイホームという夢を提供することだ。お客様が喜ぶ姿、家族が幸せに暮らす空間。それを想像するからこそ、私たちは苦しい交渉やハードな仕事に耐えられる。

また、私は故郷である群馬県への恩返しとして、プロバスケットボールチーム「群馬クレインサンダーズ」のオーナーを務めている。これも、「地元を盛り上げたい」「子供たちに夢を与えたい」という利他の精神から始まったことだ。

自分のためだけに稼ぐのは限界がある。しかし、社会のため、誰かのために貢献しようとすると、不思議と大きな力が湧いてくる。人生において、「自分が何を成し遂げたいか」以上に「誰を幸せにしたいか」を問うことは、非常に重要だ。

6. 人を育て、自分も育つ

私は経営者として、社員の成長を見るのが一番の喜びだ。

オープンハウスは「やる気のある人間を抜擢する」会社だ。学歴がなかろうが、過去に失敗していようが、今の頑張りで評価する。二十代で数千万円を稼ぎ、リーダーとして活躍する社員がゴロゴロいる。

彼らを見ていると、人間には無限の可能性があると確信できる。

人生で大事なのは、「自分という資本に投資し続けること」だ。昨日よりも今日、今日よりも明日、少しでも自分が成長しているか。新しい知識を得たか、新しいスキルを身につけたか、人間としての器を広げたか。

会社経営も同じ。会社は社長の器以上に大きくならない。だから私は、今でも誰よりも本を読み、人に会い、現場に行き、学び続けている。成長を止めた瞬間、それは衰退の始まりだ。

7. 最後に:人生の主導権を握れ

最後に伝えたいのは、「自分の人生の主導権を誰にも渡すな」ということだ。

景気が悪い、上司が悪い、環境が悪い。そうやって言い訳をするのは簡単だ。しかし、自分の人生の結果は、100%自分の責任だ。

私が不動産業界に入ったのも、起業したのも、すべて自分の意思だ。成功も失敗も、すべて自分が引き受けてきた。

世の中には、他人の目を気にして、平均的な幸せを追い求める人が多い。しかし、そんな人生で本当に満足か?

一度きりの人生だ。他人の引いたレールを歩くのではなく、自分で道なき道を切り拓け。泥臭くても、カッコ悪くてもいい。自分が信じた道を、圧倒的な熱量で突き進め。

私が考える人生で一番大事なこと。それは、「自分自身の力で、理想の未来を勝ち取ること」だ。

オープンハウスも、私も、まだまだ通過点だ。もっと成長し、もっと社会に貢献し、圧倒的な結果を出していく。

君たちの人生も、君たちが主役だ。言い訳を捨て、今すぐ動き出せ。

結果を出せ。成長しろ。そして、自分の手で最高の人生を掴み取れ。


以上が、私の考える「人生で一番大事なこと」だ。

厳しい言葉もあったかもしれないが、これが現実であり、私が信じている真実だ。もし君が本気で何かを成し遂げたいなら、この精神を胸に刻んでほしい。

次は、現場で、あるいはビジネスの最前線で会おう。期待している。