こんにちは!クリステン・ベルです。

「人生で一番大事なことは何ですか?」という、とても深くて、それでいて素敵な質問をありがとう。普段はアナとして雪だるまを作ろうと誘ったり、ヴェロニカとして事件を解決したり、あるいは「死後の世界」で自分がいい人間かどうかを悩んだりしている私ですが(笑)、一人の人間、一人の母親、そして一人の友人として、この問いに向き合ってみたいと思います。

3500字という長いお手紙のような形でお話しできるのは嬉しいわ。コーヒーかお茶でも片手に、ゆっくり付き合ってね。


1. 「親切(Kindness)」という最強の北極星

もし私がたった一つだけ、人生の指針として選ぶなら、それは「親切であること」です。でも、ここで言う親切は、単にニコニコして「いい子」でいることではありません。私が大切にしているのは、もっと能動的で、時には勇気が必要な「ラジカルな親切」です。

私たちは、誰がどんな荷物を背負って歩いているのか、本当の意味で知ることはできません。隣で笑っている友人も、スーパーのレジで少し不機嫌そうにしている店員さんも、みんなそれぞれに、誰にも言えない悩みや葛藤、痛みを抱えています。

だからこそ、まずは自分から「優しさの窓」を開けることが大事だと思うの。「私はあなたの味方だよ」「あなたの存在を認めているよ」という小さなサインを送ること。それは、見知らぬ人に笑顔で挨拶することかもしれないし、誰かの話を遮らずに最後まで聞くことかもしれません。

世界は時に冷たく、厳しい場所に感じられることもあるけれど、私たちが親切であることを選ぶたびに、その場所は少しだけ温かくなります。親切は、相手のためだけではなく、自分自身の心を整えるための「魔法の薬」でもあるのよ。

2. 「完璧ではない自分」を抱きしめる勇気

次に大切だと思うのは、自分自身の不完全さを認め、それを受け入れることです。

私は長年、不安症やうつ病と向き合ってきました。これを公表したとき、たくさんの人が驚いたけれど、私にとってはそれが「真実」でした。カメラの前でキラキラしたドレスを着て笑っている私も私だし、ベッドから起き上がれなくて、暗闇の中で自分を責めてしまう私も、同じ私なんです。

人生で一番大事なことの一つは、「私は完璧でなくていい」と心から自分に許可を出してあげることです。私たちは、SNSで流れてくる他人の「完璧に見える生活」と、自分の「泥臭い現実」を比べてしまいがち。でも、比較は喜びを奪う泥棒です。

不完全であることは、人間であることの証です。ヒビが入っているからこそ、そこから光が差し込むし、他人の痛みにも共感できるようになる。自分の弱さをさらけ出す(Vulnerability)ことは、弱さではなく、最大の強さです。私が自分のメンタルヘルスの問題を話すのは、誰かに「あなただけじゃないよ」と伝えて、孤独の壁を壊したいから。自分を愛するということは、自分のすべてのパーツ——明るい部分も、影の部分も——を、一つのパズルとして大切に扱うことなのだと思います。

3. 「許し」と「成長」のプロセス

ドラマ『グッド・プレイス』に出演して学んだ最大の教訓は、「人は変われる」ということです。昨日まで自分勝手だった人が、今日からいい人間になろうと努力することはできる。そのために必要なのが「許し」です。

私たちは、自分に対しても他人に対しても、時に厳しすぎることがあります。誰かが間違いを犯したとき、すぐに「キャンセル」して排除するのではなく、「なぜそうなったのか?」を理解しようとする姿勢を持ちたい。そして何より、自分自身が失敗したとき、それを「終わり」にするのではなく「学び」に変えることが重要です。

夫のダックス(・シェパード)との関係でも、私たちはたくさんの「許し」と「話し合い」を重ねてきました。私たちは完璧なカップルではありません。セラピーにも通うし、激しい喧嘩もする。でも、お互いに「より良い人間になりたい」という意志を持って、泥臭く努力し続けることを選んでいます。

人生は、どこか完成された目的地にたどり着くことではなく、毎日少しずつ「昨日の自分よりマシな自分」を目指すプロセスの連続です。その道中には必ず失敗があるけれど、そのたびに「大丈夫、またやり直そう」と自分に声をかけてあげてください。

4. つながりとコミュニティ

私たちは一人では生きていけません。これは当たり前のことのようで、現代の忙しさの中では忘れられがちな真実です。

私が人生で幸せを感じるのは、高価なジュエリーを手に入れたときでも、大きな賞をもらったときでもありません。娘たちの笑い声を聞きながらパンケーキを焼いているときや、友人と深い悩みを分かち合っているとき、地域の人たちと何かを成し遂げたときです。

「つながり」は、私たちの魂のガソリンです。誰かのために役に立っているという感覚、自分が必要とされているという実感。それは、ボランティア活動でもいいし、家族を支えることでもいい。何でもいいから、自分という枠を超えて、他者や社会とつながりを持つこと。

私はよく「自分ができる最小の親切は何か?」を考えます。大きな変化を起こそうと意気込む必要はありません。目の前の人を少しだけ幸せにする。その連鎖が、巡り巡って大きな変化になるのです。あなたが誰かに優しくすれば、その人はまた別の人に優しくできる。この「ペイ・フォワード」の精神こそが、人生を豊かにする鍵だと信じています。

5. ユーモアという救い

そして忘れてはいけないのが、ユーモアです!人生は時に、信じられないほどおかしくて、不条理で、カオスなものです。それを真面目に受け止めすぎると、心がポキッと折れてしまいます。

自分を笑い飛ばせる余裕を持つこと。失敗したときに「あら、今の私、コメディ映画の主人公みたいじゃない?」と面白がること。笑いは、恐怖や不安を溶かしてくれます。

私は、自分がナマケモノを見て号泣する姿(知ってる人もいるかしら?)を世界中に晒したけれど、あんな風に自分の感情に素直で、ちょっとおかしくて、滑稽な自分を愛しています。シリアスになりすぎるのは、人生という短い時間を楽しむにはもったいないわ!

6. 今、この瞬間を生きる(マインドフルネス)

最後にお伝えしたいのは、「今、ここ」を大切にすることです。

私たちは、終わってしまった過去を後悔したり、まだ来ぬ未来を不安に思ったりして、人生の貴重な時間の多くを費やしてしまいます。でも、私たちが本当に持っているのは、「今この瞬間」だけです。

子供の成長はあっという間だし、愛する人との時間も永遠ではありません。五感を使って、今の空気の匂いや、肌に触れる風、目の前の人の瞳の色を感じること。感謝できることを、毎日小さなことでもいいから見つけること。

「今日はいい日だった」と思える理由は、大きな成功があったからではなく、「美味しいコーヒーが飲めたから」とか「夕日が綺麗だったから」といった、些細なことで十分なんです。感謝の練習を続けると、世界には美しいものが溢れていることに気づけます。


結びに代えて

人生で一番大事なこと。それは、「自分自身という美しい不完全さを愛し、その愛を親切という形で世界に分け与え続けること」だと私は思います。

あなたは、今のままで十分に価値がある存在です。何かを達成しなくても、誰かより優れていなくても、あなたはここにいるだけで素晴らしい。そのことを忘れないでください。

もし、今日が少し辛い日だったとしても、深呼吸して。明日にはまた新しいチャンスがやってきます。自分を責めすぎず、誰かに、そして自分自身に、ラジカルなまでの親切を届けてあげてくださいね。

世界はあなたの優しさを必要としています。そして私も、あなたのことを応援しています!

愛を込めて。

クリステン・ベル