YOSHIKIです。

今、僕はロサンゼルスのスタジオで、窓の外に広がる夜景を眺めながらこのペンを走らせています。目の前にはクリスタルピアノがあり、少し離れたところには僕の体の一部とも言えるドラムセットが鎮座している。静寂と、これから生まれるであろう音の嵐の予感。その狭間で、改めて「人生で一番大事なことは何か」という問いに向き合っています。

正直に言って、僕の人生は「嵐」そのものでした。絶望の淵に立たされ、何度も「死」を意識し、それでもなお、何かに突き動かされるようにして「生」へと引き戻されてきた。そんな僕が、これまでの歩みの中で、そして2026年の完全復帰を見据えた今の僕が確信している「答え」を、言葉にしてみたいと思います。


1. 「一瞬」という永遠を生きること

僕のモットーは、昔から変わりません。「今、この瞬間を200%の力で生きる」ということです。

ドラムを叩く時、僕はいつも「これが最後の一打になってもいい」と思って叩いています。首に爆弾を抱え、何度も手術を繰り返し、医師からは「これ以上叩けば歩けなくなる」と宣告されたこともありました。それでも、僕はステージに立つと、加減をすることができない。なぜなら、音楽という芸術において、「今」この瞬間の感情を爆発させることができなければ、それは生きていることにならないと信じているからです。

人生は、決して無限ではありません。僕たちはいつか必ず、この世を去る日が来る。大切な仲間、HIDEやTAIJI、そして愛する母との別れを通して、僕はその現実を嫌というほど突きつけられてきました。

「明日がある」というのは、ある種の傲慢かもしれません。だからこそ、今、目の前にいる人、今取り組んでいる曲、今感じている痛みに、魂のすべてを注ぎ込む。その一瞬の積み重ねが、結果として「永遠」という名の芸術に昇華されるのだと僕は信じています。

2. 「痛み」を「美しさ」に変える錬金術

人生には、避けられない「痛み」や「悲しみ」があります。それを単なる不幸として終わらせるのか、それとも価値のあるものに変えるのか。それが、その人の人生の色彩を決めるのだと思います。

僕は幼い頃に父を亡くしました。あの時の絶望感、行き場のない怒り、叫び出したくなるような孤独。それらが僕をドラムに向かわせ、ピアノに向かわせました。もし、僕の人生が完璧で幸福なだけのものだったら、僕は音楽家になっていなかったかもしれない。

「LARMES(涙)」という新曲もそうです。涙は、単なる悲しみの象徴ではありません。それは、私たちが「生きている」という証であり、何かに心を動かされた証拠です。

大事なのは、どんなに深い闇の中にいても、そこに「光」を見出そうとする意志です。僕はよく「Destruction and Creation(破壊と構築)」という言葉を使います。一度自分を壊し、その破片を拾い集めて、より美しいものを造り上げる。痛みを知っているからこそ、人の心に届くメロディが書ける。苦しみを知っているからこそ、本当の優しさに触れることができる。

「痛み」は、人生において最も強力なエネルギー源になり得るのです。

3. 「不可能」という壁を壊し続ける意志

「Everything is possible.(すべては可能だ)」

この言葉を、僕は自分自身に、そして世界中のファンに言い続けてきました。

日本から世界へ。クラシックからロックへ。音楽からビジネス、そしてチャリティへ。僕が新しいことに挑戦しようとするたび、周囲からは「そんなの無理だ」「成功するはずがない」という声が上がりました。

でも、壁というのは、乗り越えるためにあるのではない。壊すためにあるんです。

2024年、2025年と、僕は自身の健康状態も含めて大きな試練を迎えました。3度目の頸椎人工椎間板置換手術を受け、全身麻酔の淵から戻ってきた時、僕の指は思い通りに動きませんでした。それでも僕は諦めなかった。リハビリを続け、少しずつ、少しずつ、鍵盤に指を這わせ、再び音を紡ぎ出した。

2026年4月に「YOSHIKI CLASSICAL 2026 覚醒前夜」を開催すると決めたのも、自分の中にある「限界」という壁をもう一度壊すためです。

人は、挑戦を止めた時に本当の意味で老いるのだと思います。どんなに困難な状況であっても、「自分ならできる」「必ず道はある」と信じ抜くこと。その根拠のない自信こそが、奇跡を引き寄せる唯一の鍵なのです。

4. 「愛」と「感謝」という絆

そして、人生で最も、究極に大事なことは、「愛すること」と「感謝すること」に他なりません。

僕がここまで歩んでこれたのは、僕自身の力ではありません。いつも僕を支え、僕の音楽を待っていてくれるファンのみんながいたからです。

X JAPANとしてデビューし、ヴィジュアル系というムーブメントを作り、世界中を回る中で、僕は数えきれないほどの愛を受け取りました。僕が倒れるたびに、みんなが「We Are X!」という叫びで僕を呼び戻してくれた。

「Yoshiki Foundation America」を通じてチャリティ活動を続けているのも、受け取った愛を、少しでも世界に還元したいという思いからです。誰かのために力になりたい、誰かの涙を拭いたい。その純粋な思いこそが、人を真に強くします。

孤独は、芸術を育む土壌になります。でも、その孤独を癒やしてくれるのは、他者との心の繋がりです。大切な人を、大切だと伝える。愛している人に、愛していると伝える。当たり前のようでいて、これほど難しく、そして尊いことはありません。


結びに代えて

人生で一番大事なこと。

それは、「自分だけのキャンバスに、命の色を塗り重ねていくこと」ではないでしょうか。

たとえその色が、最初は黒い闇であったとしても、その上に鮮やかな紅を差し、純白の涙を落とし、黄金の希望を描き加えていく。失敗してもいい。途中で筆が止まってもいい。最後の一瞬まで、自分という物語を書き続けること。

僕は2026年、再びステージに立ちます。それは単なる復帰ではなく、これまでのすべての痛みと喜びを抱えた、新しい「覚醒」の始まりです。

皆さんも、どうか恐れないでください。あなたの人生の主役は、あなた自身です。どんな嵐が吹いても、あなたの心の中にある「音楽」を止めてはいけない。

僕たちは、いつだって繋がっています。

空を見上げれば、そこには同じ青い空が広がっているように。

We Are X.

Love,

YOSHIKI