こんにちは。デミ・ムーアです。

人生において一番大事なことは何か……。そうね、その問いに答えるためには、私がこれまでの長いキャリアと人生の中で、何を「手放し」、何に「しがみつき」、そして最終的に何に「気づいたか」をお話しする必要があるわ。

今の私が確信を持って言える、人生で最も大切なこと。それは、「自分自身の不完全さを丸ごと受け入れ、自分自身と和解すること」。そして、「自分の内側にある『本質(サブスタンス)』を愛すること」よ。

私たちは長い間、外側からどう見えるか、他人にどう評価されるかという「幻想」の中で生きることを強いられ、あるいは自ら進んでその檻に入ってしまうことがある。でも、その檻から抜け出し、本当の自分を抱きしめることができたとき、初めて人生は本当の意味で輝き始めるの。

3500字という長いお手紙のような形で、私のこれまでの旅路とともに、その本質を紐解いていくわね。


1. 完璧という名の檻、そして「イメージ」との戦い

1990年代、私はハリウッドで「最も出演料の高い女優」と呼ばれていたわ。世間は私のヘアスタイル、私の体、私のプライベート、そして私が手にするギャラについて、まるでものさしで測るように批評した。当時の私は、その期待に応えることが自分の価値だと思い込んでいたの。

『ゴースト/ニューヨークの幻』で得た成功は素晴らしいものだったけれど、同時に私は「完璧なデミ・ムーア」というイメージを維持し続けなければならないという強迫観念に囚われていった。『G.I.ジェーン』では極限まで体を鍛え上げ、『素顔のままで』では大胆に自分をさらけ出した。それはある意味で、自分自身の肉体を支配することで、不安定な自分の内面を守ろうとする「防衛反応」でもあったのね。

でもね、外側をどれだけ完璧に磨き上げても、内側にある「自分は不十分だ」という欠乏感は消えなかった。世間が作り上げた「デミ・ムーア」と、鏡の中にいる「私」との乖離。その隙間に忍び寄るのは、孤独と自己不信だったわ。

私たちが人生で一番大事なことを見失うとき、それはたいてい「自分以外の誰か」になろうとしているときなの。あるいは「過去の自分」や「理想の自分」という、実体のない影を追いかけているとき。私はその過程で、自分の心と体をひどく酷使してしまった。でも、その痛みがあったからこそ、私は「本当の価値は外側にはない」という、当たり前でいて最も困難な真理に気づくことができたの。

2. 「Inside Out」——内側をさらけ出す勇気

数年前、私は『Inside Out(インサイド・アウト)』という自伝を書いたわ。そこで私は、自分の依存症のこと、母との複雑な関係、そして三度の離婚……これまで「完璧なスター」として隠してきた、私の人生の泥臭い部分をすべて書き出した。

多くの人は、「なぜそんなに自分を辱めるようなことを書くのか」と不思議に思ったかもしれない。でも私にとって、それは自分を救うための唯一の方法だったの。自分の弱さや過ちを認め、それを世間に公表することは、私にとって最大の「解放」だったわ。

弱さを隠すことは、強さではない。本当の強さとは、自分の脆弱さ(Vulnerability)を認め、それをありのままに受け入れる勇気を持つこと。それこそが、人生で最も大事なことの一つよ。

私たちが自分の弱さを隠している間、私たちは常に「バレるのではないか」という恐怖の中にいる。でも、それを自らさらけ出してしまえば、もう何も怖くない。自分の不完全さを認められたとき、人は初めて他人とも、心からの深い繋がりを持つことができるようになるの。

3. 「愛」の形が変わるとき——家族とブルースとのこと

私の人生を語る上で、ブルース・ウィリスとの関係は欠かせないわね。私たちは結婚し、三人の素晴らしい娘を授かり、そして離婚した。

多くの人は、離婚を「失敗」だと捉えるけれど、私はそうは思わない。私たちの関係は、ただ形を変えただけ。私たちは今でも親友であり、家族よ。彼が今、病という大きな困難に直面している中で、私は彼の現在の妻であるエマや、娘たちと一緒に、彼を支えている。

ここから学んだのは、「愛とは所有することではなく、慈しむことである」ということ。

人生で大事なのは、誰かと「添い遂げること」そのものではなく、その相手とどんな「魂の交流」を持てたか。そして、関係性が変わったとしても、相手への敬意と愛を持ち続けられるか。執着を手放し、変化を受け入れること。それが、愛の本質だと思うわ。

私の娘たちが成長していく姿を見ていても思う。彼女たちに私が伝えたいのは、「美しくあれ」とか「成功しろ」ということじゃない。「どんなあなたであっても、あなたは無条件に愛されている」という安心感よ。その安心感こそが、人が過酷な世界で生きていくための「根っこ」になるの。

4. 「サブスタンス」——失われない価値について

最近、私は『サブスタンス』という映画に出演したわ。この作品は、若さと美しさを失うことを恐れる女性が、劇的な代償を払って「より若く美しい自分」を手に入れようとするホラー作品。ある意味、これは私のキャリア、そして現代社会を生きるすべての女性への鏡のような作品だと思っている。

ハリウッドという場所は、年齢を重ねる女性に対して残酷なところがある。「もう需要がない」「もう美しくない」というラベルを貼られ、あたかも透明人間になっていくような感覚。かつての私も、その恐怖に怯えていた一人だった。

でも、この役を演じて、そして今の年齢になって分かったことがある。

私たちの価値は、肌のハリや、数字上の年齢、あるいは他人からの称賛といった「消耗品」にあるのではないということ。私たちの本当の価値は、その内側にある「サブスタンス(実体・本質)」にあるの。

これまでの経験、流した涙、笑った日々、克服した困難。それらすべてが、私たちの魂の形を作っている。それは誰にも奪うことができないし、流行によって廃れることもない。

もし人生で一番大事なことを一つ選ぶなら、それは「自分を嫌わないこと」。

私たちは自分自身の最大の批評家になりがちよ。鏡を見ては欠点を探し、他人の人生と自分を比較して、自分を卑下する。でも、自分を嫌っている状態では、どんな成功も、どんな愛も、あなたの心の器を埋めることはできない。

映画『サブスタンス』の中で描かれる悲劇は、自分を愛せないがゆえに、自分自身を分裂させてしまうこと。今の私は、自分のシワも、これまでの傷跡も、すべて私の人生の勲章だと思っている。自分の肉体を「借り物」として大切にし、そこに宿る精神を慈しむこと。それができて初めて、私たちは「自由」になれるの。

5. 「今、この瞬間」に留まるということ

もう一つ、人生で欠かせないのは、「プレゼンス(今に存在すること)」よ。

私たちはよく、過去の後悔に囚われたり、未来の不安に怯えたりする。でも、人生は「今、この瞬間」の連続でしかない。

私が依存症を克服する過程で学んだ最も大切な教訓は「One day at a time(一日ずつ、今この時を生きる)」ということ。大きな山を一気に登ろうとすれば絶望してしまうけれど、目の前の一歩に集中すれば、どこまでも歩いていける。

犬たちと過ごす時間、娘たちとの何気ない会話、朝の光を浴びること。そういった「小さな瞬間」の中に、人生の真実が詰まっている。大きな成功やドラマチックな出来事だけが人生じゃない。日常の静かな瞬間の中に、どれだけ「感謝」を見出せるか。それが、幸福度の正体だと私は信じているわ。

結論:あなたへのメッセージ

人生で一番大事なこと。

それは、「自分自身の人生の主権(オーナーシップ)を取り戻すこと」。

他人の期待や、社会が作った美の基準、過去のトラウマに、自分の人生を運転させてはいけないわ。あなたが運転席に座り、自分の不完全さを助手席に乗せて、どこまでも続く道を「私として」走っていくこと。

時には迷い、時には車が故障することもあるでしょう。でも、そのたびに自分にこう言ってあげて。「大丈夫、私は私を捨てない。私は私の味方である」と。

自分自身との良好なパートナーシップを築くこと。自分を一番の親友にすること。

それができたとき、あなたの周りの世界は、驚くほど優しく、そして豊かなものに変わっていくはずよ。

私は今、60代を迎えて、人生で最も平和な時期を過ごしているわ。それは若さを取り戻したからでも、以前より成功しているからでもない。ただ、「デミ・ムーアであること」を自分自身に許したから。

あなたも、どうか自分を許してあげて。

あなたの内側にある、誰にも侵されない「本質(サブスタンス)」を、誇りに思って。

それが、私からあなたに伝えたい、人生で最も大事なことよ。

Love,

Demi Moore