私は韓国大統領、李在明(イ・ジェミョン)です。
今、私の目の前には青瓦台(あるいは大統領府)の窓から見えるソウルの風景が広がっています。少年工として工場で油にまみれていた頃の私には、想像もできなかった景色です。
「人生で一番大事なことは何か」
この問いに対し、私はこれまでの波乱に満ちた半生を振り返り、確信を持って答えたいと思います。それは、「公平な世の中(大同世上)を作り、誰もが人間としての尊厳を守られること」、そしてそのために「最後まで諦めない不屈の意志」を持つことです。
なぜ私がこれほどまでに「公平」と「尊厳」に執着するのか。私の人生の歩みと共にお話ししましょう。
1. 絶望の淵で見つけた「公平」への渇望
私の原点は、京畿道・城南(ソンナム)の相対院(サンデウォン)洞にある工場の立ち並ぶ街にあります。小学校を卒業したばかりの私は、中学校へ行く代わりに工場のプレス機に向き合いました。そこは、安全など二の次、労働者の命が消耗品のように扱われる場所でした。
ある日、私の左腕はプレス機に挟まれ、潰れました。その痛み、そしてその後の後遺症で曲がってしまった腕を見るたび、私は幼いながらに悟ったのです。この世の中は、生まれた家や環境によって、最初から勝負が決まっているのではないか。持てる者はより多くを持ち、持たざる者は体さえも壊しながら、這い上がることすら許されない。これが「運命」という言葉で片付けられていいはずがない、と。
私にとって人生で最も大事なことの第一は、「理不尽な格差を解消し、機会が公平に与えられる社会にすること」です。
私が少年工から独学で検定試験を受け、弁護士になったのは、単に立身出世を望んだからではありません。法律という武器を手に入れ、自分と同じように虐げられ、声を聞いてもらえない人々の盾になりたかったからです。力のある者がルールを曲げ、弱い者が涙を呑む。そんな「変則」がまかり通る社会を正すこと。それこそが、私が生きる理由となりました。
2. 「民生」こそが政治の存在理由
人生において、高尚な理想を語ることは容易です。しかし、今日食べるものに困り、明日の家賃に怯える人々にとって、言葉だけの民主主義は何の役にも立ちません。
私は市長、知事、そして今、大統領として国政を担う中で、常に自分に言い聞かせていることがあります。それは、「政治の究極の目的は、国民の食い扶持を守ること(民生)にある」ということです。
「基本所得(ベーシックインカム)」や「基本住居」といった私の政策は、単なるポピュリズムではありません。それは、人間が人間として最低限の尊厳を保ち、新しいことに挑戦するための「土台」です。格差が広がり、若者が未来を諦める社会に希望はありません。
人生で大事なこと。それは、「自分一人が成功することではなく、隣人が共に笑える仕組みを作ること」です。これを私は「大同世上(テドンセサン)」と呼んでいます。誰もが豊かさを分かち合い、共に生きる世界。それを実現するために、私はあらゆる既得権益と戦い、現場の声を反映させることに全力を注いできました。
3. 試練に立ち向かう「不屈の意志」
私の政治人生は、常に攻撃と逆風の連続でした。貧しい出自、学歴、あるいは家族の問題に至るまで、執拗なまでの攻撃を受け続けてきました。何度も崖っぷちに立たされ、司法の刃が喉元に突きつけられたことも一度や二度ではありません。
しかし、私は倒れませんでした。なぜなら、私には守るべき人々がいるからです。
人生で大事なことの三つ目は、「正義を信じ、最後までやり遂げる意志」です。
韓国には「抑強扶弱(オッカンブヤク)」という言葉があります。「強きを抑え、弱きを助ける」という意味です。これを実践しようとすれば、必ず強い勢力からの反発に遭います。彼らは自分たちの利権を守るために、あらゆる手段で私を葬り去ろうとするでしょう。
それでも、私は一歩も退きません。私が退けば、私を信じてくれた市井の人々、工場の労働者、市場のおばあさん、そして未来を不安に思う若者たちが、再び絶望の底に取り残されることになるからです。
「傷だらけの雑草」であっても、踏まれても踏まれても起き上がる。その姿を見せること自体が、同じように苦しんでいる人々へのメッセージになると信じています。
4. 2025年、新しい韓国の夜明けに思うこと
2024年末から2025年にかけて、我が国は激動の渦中にありました。民主主義が揺らぎ、国民の不安が頂点に達したあの時、私は「国民こそがこの国の主権者である」という当たり前の事実を再確認しました。
大統領に就任した今、私は自分の人生のすべてを懸けて、この国を「正常な国」へと戻す決意です。
それは、検察独裁が終わりを告げ、法の下の平等が実現される国。
それは、一部の特権階級ではなく、真面目に働く人々が報われる国。
そして、南北が緊張を乗り越え、平和の中で共に繁栄を築く国です。
私の人生で一番大事なこと。
それは結局のところ、「イ・ジェミョンという一人の人間が、この世を去る時に、『彼は世の中を少しでも良くしようと、死に物狂いで生きた男だった』と記憶されること」に集約されるのかもしれません。
結びに代えて:あなたへのメッセージ
もし今、あなたが困難の中にあり、人生に絶望を感じているのなら、私の曲がった左腕を思い出してください。工場のシンナーの匂いの中で泣いていた少年が、大統領として国の運命を背負うまでになりました。
人生において、最も大切なのは「自分を諦めないこと」、そして「自分よりも苦しんでいる誰かのために、手を差し伸べる勇気を持つこと」です。
世の中はすぐには変わりません。しかし、私たちが連帯し、公平な社会を求めて声を上げ続ける限り、必ず道は開かれます。私はその道の一番前で、風除けとなって歩み続けます。
私たちの人生が、単なる生存のための競争ではなく、お互いを尊重し合える祝祭のようなものになるその日まで。
共に歩みましょう。