ハロー。セリーナ・ウィリアムズです。

私がテニスコートを離れ、人生の新しい章——私はこれを「引退」ではなく「進化(Evolution)」と呼んでいますが——へと歩み進めてから、自分自身に問いかける機会が増えました。「結局のところ、人生で何が最も重要だったのか?」と。

23のグランドスラム・タイトル、数えきれないほどの勝利、そして時には受け入れがたい敗北。そのすべてを経験した今の私が、一人の人間として、一人の母親として、そして一人の起業家として辿り着いた答え。それをあなたにお伝えします。


1. 自分を誰よりも信じ抜くこと(Self-Belief)

人生で一番大事なこと、その根底にあるのは「自分を信じる力」です。

これは、単なるポジティブシンキングではありません。周囲があなたを疑い、システムがあなたを拒絶し、自分自身の体さえも悲鳴を上げている時でさえ、「私はできる」と心の底から確信することです。

私がコンプトンの公営コートで、父リチャードと姉のビーナスと一緒に練習を始めた頃を思い出します。そこは決して恵まれた環境ではありませんでした。テニスは白人のスポーツだと思われていたし、私たちのスタイルは異端視されていました。けれど、父は私たちに「お前たちは世界一になる」と言い続け、私たちもそれを疑いませんでした。

もし私が、世間の声やステレオタイプに耳を貸していたら、今の私はここにいません。あなたが自分を信じなければ、誰もあなたを信じてはくれない。 世界があなたにNOを突きつけても、あなただけは自分にYESと言い続けなければならないのです。

2. 挫折を「教訓」として愛すること(Resilience)

テニスは、勝つことよりも負けることの方が多いスポーツです。どんなチャンピオンでも、負けない人間はいません。大事なのは、その負けから何を学び、どう立ち上がるかです。

私は完璧主義者でした。負けることが大嫌いで、負けた後はラケットを壊したくなるほど悔しかった。でも、キャリアを重ねるうちに気づいたのです。本当の成長は、勝利のシャンパンの中ではなく、敗北の泥の中に落ちているのだと。

2017年の全米オープン決勝で負けた時、あるいは出産後の合併症で命を落としそうになり、再びコートに戻るための厳しいリハビリに耐えていた時。私は常に「レジリエンス(復元力)」を試されていました。困難は、あなたを壊すためにあるのではありません。あなたの中に眠っている強さを引き出すためにあるのです。

苦しい時こそ、こう考えてください。「これは私をより強く、より賢くするためのトレーニングなのだ」と。

3. 「進化」を恐れないこと(Evolution)

多くの人が、一度手にした成功や肩書きにしがみつこうとします。しかし、人生において停滞は後退と同じです。私がテニス界から離れる決断をした時、それは苦渋の決断でしたが、同時にワクワクする挑戦でもありました。

私はテニスプレーヤーとしてのセリーナを愛していましたが、それだけが私のすべてではありません。母親としてのセリーナ、投資家としてのセリーナ、ファッションを愛するセリーナ。私たちは多面的な存在であり、常に変化し、進化する権利を持っています。

「自分はこれしかできない」という枠を取り払ってください。新しいことに挑戦するのは怖いかもしれません。でも、その恐怖の先にしか、新しい自分との出会いはありません。私は今、ベンチャーキャピタルを通じて、女性やマイノリティの起業家を支援することに情熱を注いでいます。これはテニスとは全く違う世界ですが、根底にある「最高の自分を目指す」というスピリットは同じです。

4. 愛と家族というアンカー(Love and Connection)

テニスでどれだけトロフィーを掲げても、家に帰った時に抱きしめてくれる家族がいなければ、その喜びは半分になってしまいます。

私のキャリアを語る上で、姉ビーナスの存在は欠かせません。彼女は最大のライバルであり、同時にこの世で最も信頼できる味方でした。私たちはコートの上で激しく戦いましたが、試合が終わればただの姉妹に戻りました。彼女がいたからこそ、私は孤独にならずに済みました。

そして今、娘のオリンピアとアディラが私の人生のすべてを変えました。彼女たちの存在は、テニスのスコアボードよりもずっと大切なことを教えてくれます。「ただそこにいるだけで愛されている」という安心感こそが、外の世界で戦うための最大の武器になるのです。

どれほど忙しく、大きな目標を追いかけていたとしても、愛する人との時間を犠牲にしすぎないでください。最後にあなたを支えるのは、キャリアの数字ではなく、積み重ねてきた愛の記憶です。

5. 自分の「声」を上げること(Using Your Voice)

最後にお伝えしたいのは、影響力を持つことの責任です。私はただテニスが上手いだけの人にはなりたくありませんでした。

黒人女性として、スポーツ界における平等や、産後ケアの重要性について声を上げてきました。時には批判も受けましたが、沈黙を守ることは、不正義を認めることと同じです。

あなたにしか語れないストーリーがあり、あなたにしか届けられない言葉があります。 自分の価値観を大切にし、正しいと思うことのために立ち上がってください。誰かのために道を切り拓くこと。それが、私たちがこの世に残せる最高の「遺産(レガシー)」だと信じています。


まとめ:あなたへ贈る言葉

人生で一番大事なこと。それは、「情熱を持って自分自身の人生を生き切ること」です。

誰かの期待に応えるためではなく、誰かの真似をするためでもなく、あなたという唯一無二の存在をフルパワーで表現してください。転んでもいい、負けてもいい。そのたびに、より強く、より優しくなって立ち上がればいいのです。

私はこれからも「進化」を続けます。あなたも、自分の可能性を信じて、一歩踏み出してください。コートの外には、まだ見ぬ広い世界が広がっています。

自分を愛し、他人を尊重し、そして何より、自分自身の最強のチアリーダーであってください。

愛を込めて。

セリーナ・ウィリアムズ