ハロー。マイルズ・スミスです。

まず、僕の音楽や僕という人間に興味を持ってくれて、そしてこんなにも深く、本質的な問いを投げかけてくれて本当にありがとう。2025年という今、僕はこの場所(ステージの上、あるいはスタジオの中)に立っていますが、ここ数年の出来事は、正直に言って今でも魔法のように感じることがあります。

ルートンのパブで12歳の頃から歌い始め、誰にも見向きもされない中でギターを弾いていたあの日々と、世界中の人々が僕の歌を聴いてくれている今。この劇的な変化の中で、僕がずっと自問自答し、そして確信した「人生で一番大事なこと」について、僕の言葉で、僕の魂を込めてお話ししたいと思います。

結論から言えば、僕にとって人生で最も大切なのは、「真実の自分(Authenticity)でい続け、他者と心からの繋がり(Connection)を持つこと」です。

なぜそう思うのか、僕のこれまでの旅路を振り返りながら詳しく説明させてください。


1. 「自分であること」の勇気

僕の物語は、イギリスのルートンという街から始まりました。そこは多様な文化が混ざり合う場所で、僕自身のルーツであるジャマイカの文化も、僕の血の中に流れています。子供の頃の僕は、ポップ・パンクも聴けばヒップホップも聴き、アイリッシュ・ミュージックのメロディにも心を躍らせていました。

音楽を始めた当初、僕は「何者かにならなければならない」と思っていました。誰か有名なアーティストのように歌い、誰かが好むような曲を書かなければならない、と。でも、そうやって自分を偽っている間は、僕の歌は誰の心にも届かなかった。12歳からパブで歌い続けて、10年以上もの間、僕は「成功」とは程遠い場所にいました。

そこで学んだのは、「自分ではない誰か」を演じることは、世界で一番疲れる作業だということです。

人生で一番大事なことの第一歩は、自分の弱さや、不完全さ、そして自分だけが持つ独特の背景を隠さずにさらけ出すことです。僕が自分の正直な感情を歌詞にし、飾り気のないアコースティックな音で歌い始めた時、ようやく世界が僕に応えてくれました。TikTokで僕のカバーやオリジナル曲が広がったのは、僕の歌唱技術が特別だったからではなく、そこに「真実の響き」があったからだと信じています。

自分に嘘をつかないこと。それが、人生という長い旅を歩き続けるための唯一の燃料になるのです。

2. 「繋がり」が持つ魔法

僕の代表曲に『Stargazing』という曲があります。この曲が世界中で愛された理由を考えたとき、一つの答えに辿り着きました。それは、人間が本能的に求めているのは「誰かと星を見上げるような、静かで深い繋がり」だということです。

今の世の中は、数字や効率、あるいは表面的な評価で溢れています。SNSの「いいね」の数や、チャートの順位、フォロワーの数。もちろん、それらが僕のキャリアを助けてくれたことは否定しません。でも、それ自体は人生の本質ではありません。

本当に大切なのは、「あなたの歌が、私の苦しい夜を救ってくれた」と言ってくれる一人との出会いです。あるいは、ライブ会場で何千人もの見知らぬ人たちが、一つのメロディを共有し、同じ感情を分かち合う瞬間です。

人間は一人では生きていけません。そして、一人で成功しても意味がありません。自分の経験を誰かのために使い、誰かの痛みに寄り添い、喜びを分かち合う。この「繋がり」こそが、人生を彩る最も美しい色なのです。僕にとって音楽は、その繋がりを作るための「橋」に過ぎません。

3. 「プロセス(過程)」を愛するということ

僕がブリット・アワードを受賞したり、ビルボードにランクインしたりするまでには、12年以上の年月がかかりました。多くの人は、TikTokでのバイラルを「一夜にして起きた幸運」だと言います。でも、僕にとっては、誰もいないパブで酔っ払った客を相手に歌っていたあの10年間こそが、今の僕を作った宝物です。

人生で大事なのは、目的地に到達することではなく、「そこへ向かうプロセスそのもの」を楽しむことです。

もし僕が「有名になりたい」という結果だけを求めていたら、きっと途中で諦めていたでしょう。僕はただ、歌うことが好きだった。ギターを弾く指の感触が好きだった。新しい曲が生まれた瞬間の震えるような感覚が好きだった。

成功は結果として付いてくるものですが、それは永続的なものではありません。チャートはいつか落ちるし、賞の輝きもいつかは色褪せます。でも、自分が情熱を注いだ時間や、そこで得た技術、そして困難を乗り越えたという自負は、誰にも奪えない一生の財産になります。

今、何かを目指している人に伝えたいのは、「今、この瞬間」の泥臭い努力や、人知れず繰り返す試行錯誤を愛してほしいということです。それこそが、あなたの人生の「物語」になるのですから。

4. 脆弱性(Vulnerability)は弱さではない

僕の音楽には、よく「寂しさ」や「切なさ」、そして「愛への渇望」といった感情が登場します。かつての僕は、男性として、あるいは表現者として、そうした「弱み」を見せることを恐れていました。強く、自信に満ち溢れている自分だけを見せたかった。

しかし、今の僕は知っています。自分の弱さを認めることこそが、最大の強さであるということを。

僕が自分の孤独を歌うとき、聴いてくれる人たちは「ああ、自分だけじゃないんだ」と感じてくれます。僕が不安を口にするとき、それは誰かの勇気になります。自分をさらけ出すこと(Vulnerability)は、他者との深い信頼関係を築くための鍵です。

完璧である必要はありません。傷ついている自分、迷っている自分、情けない自分。それらすべてを「これが僕だ」と受け入れること。それができたとき、人生は驚くほど自由になります。

5. 感謝の心を持ち続ける

最後に、僕が毎日自分に言い聞かせていることがあります。それは、「今あるすべては当たり前ではない」ということです。

ルートンの少年が、グラミー賞候補やブリット・アワード受賞者として語られる世界線。これは多くの人々の支え、家族の愛、そして何より僕の音楽を見つけてくれたファンの皆さんのおかげです。

人生で一番大事なことの一つは、「感謝の心(Gratitude)」を忘れないことです。

感謝の心があれば、どんな小さな幸せにも気づくことができます。朝のコーヒーの香り、友人との何気ない会話、ステージから見えるペンライトの光。それらすべてに「ありがとう」と思えるとき、心は満たされます。逆に、どんなに富や名声を得ても、感謝を忘れてしまえば、心は常に「足りない何か」を探して彷徨うことになります。


結論:あなたがあなたであるために

3500字という長いスペースをいただいて、僕の考えを綴ってきましたが、最後に僕からあなたへメッセージを送ります。

人生で一番大事なことは、「自分自身の人生という曲を、自分の声で歌い切ること」です。

他人の期待に応えるためのメロディを奏でないでください。世間が決めた「正解」という歌詞をなぞらないでください。あなたの中にしかないリズムがあり、あなたにしか出せない音色があります。

ときには音が外れることもあるでしょう。リズムが狂うこともあるでしょう。でも、それがあなたの「ライブ」なんです。ミスを恐れず、自分という存在を祝福してあげてください。

そして、その歌を通じて、誰かと繋がってください。隣にいる人の手を取り、一緒に星を見上げてください。世界はときに冷たくて暗い場所に見えるけれど、僕たちが互いに真実の心で繋がり合うとき、そこには必ず光が灯ります。

僕もこれからも、ルートンでギターを始めたあの頃の気持ちを忘れずに、正直に、そして感謝を込めて歌い続けていきます。僕の音楽が、あなたの人生という素晴らしい物語の、ほんの一節にでもなれたら、それ以上に幸せなことはありません。

Keep Stargazing.(星を見つめ続けて。)

心を込めて。

マイルズ・スミス