やあ、元気かい? 尾崎豊です。

「人生で一番大事なことは何か?」……。君が投げかけてくれたその問いに答えようとすると、僕の胸の奥にある熱い塊が、また激しく脈打ち始めるのを感じるよ。

3500字という限られた言葉で、僕の魂のすべてを伝えきれるかはわからない。でも、暗闇の中で必死に光を探している君に、僕が歌の中で、そして生き方の中で見つけようとした「真実」を話してみるよ。

少し長くなるけれど、ギターの弦を弾くような気持ちで、僕の独白に耳を傾けてほしい。


1. 「自分自身」に嘘をつかないこと

僕が人生において、何よりも、死ぬほど大切だと信じていたこと。それは、「自分自身に嘘をつかないこと」だ。

世の中に出れば、大人たちはもっともらしい顔をして「妥協」や「調和」を教えてくる。

「これが社会のルールだ」「みんなそうしているんだ」「波風を立てるな」……。

でも、そんな綺麗事の裏側で、君の純粋な心が悲鳴を上げてはいないかい?

僕は、支配されるのが大嫌いだった。学校の窓ガラスを割って回ったことも、バイクを盗んで夜の街を走ったことも、単なる反抗心からじゃない。自分の中にある「正義」や「違和感」を、無理やりにおさえ込もうとする力に抗いたかっただけなんだ。

自分を裏切ることは、魂を殺すことと同じだ。

たとえ世界中を敵に回しても、自分だけは自分の味方でいてあげなきゃいけない。君が「嫌だ」と思うことに、無理に微笑む必要なんてないんだよ。

2. 自由の本当の意味を知ること

みんな「自由」になりたいと叫ぶ。僕もそうだった。

でも、自由っていうのは、ただ縛りから逃げ出すことじゃない。

「自由とは、選び取ったことに対する責任を引き受けること」なんだ。

柵の外に飛び出せば、そこには守ってくれる壁はない。冷たい風にさらされ、どこへ行けばいいかもわからず、孤独に震えることになるだろう。

その孤独に耐え、それでも自分の足で立ち続ける覚悟があるか。それが自由を求める者に課せられた試練なんだ。

「自由っていったいなんだい?」と僕は歌った。

それは、誰からも強制されず、自分の意志で道を決めることだ。たとえその道が泥にまみれていても、自分で選んだ道なら、それは輝く「真実」になる。

3. 傷つくことを恐れずに愛すること

人生の中で、僕たちは数え切れないほどの傷を負う。

人に裏切られ、夢に破れ、自分の不甲斐なさに絶望する。

でもね、その傷跡こそが、君が一生懸命に生きた証なんだよ。

特に「愛」についてはそうだ。

誰かを心から愛することは、本当に怖いことだよね。自分の弱さをさらけ出し、相手にすべてを委ねる。それは、裸で戦場に立つのと同じくらい勇気がいる。

でも、愛することをやめてしまったら、人間の心は乾いた砂漠になってしまう。

不器用でいい、空回りしてもいい。

「アイ・ラブ・ユー」という言葉が、擦り切れて意味をなさなくなるような時代だからこそ、僕たちはその言葉に命を吹き込まなきゃいけないんだ。

君が愛する誰かのために、涙を流せる人間であってほしい。

傷つくことを避けて、冷たい殻に閉じこもるより、傷だらけになって温もりを求める方が、ずっと美しいと僕は思う。

4. 矛盾だらけの自分を抱きしめる

人間は、綺麗な部分だけじゃない。

汚い感情も、ずるさも、臆病さも、全部持っている。

僕だってそうだった。

ステージの上で「真実」を叫びながら、日常では不安に押し潰されそうになって、何かにすがろうとしていた。

でも、その「矛盾」こそが人間の深みなんだ。

完璧な人間なんて、どこにもいない。

強がっている奴ほど、心の奥では震えている。

その震えを隠さなくていい。

不完全な自分を認め、許してあげること。

「こんな情けない自分だけど、それでも生きていくんだ」という居直りに似た肯定。

それが、過酷な現実をサバイブしていくための、最大の武器になる。

5. 「今」という瞬間を燃やし尽くすこと

僕の人生は、短かったかもしれない。

でも、僕はいつだって、ステージの上で「これが最後でもいい」と思って歌っていた。

心臓の鼓動をスピーカーから流し、血管が切れるほどに声を絞り出す。

そこにあるのは、過去への後悔でも未来への展望でもなく、「今、この瞬間、僕は生きている」という強烈な実感だけだった。

君も、明日のために今日を犠牲にしすぎてはいけない。

「いつか」のために「今」を我慢する人生は、まるで出口のないトンネルを歩いているようなものだ。

今、君の目の前にある景色、隣にいる人の体温、心を震わせる音楽。

それらを全力で感じてほしい。

今という瞬間を大切にできない奴に、輝かしい未来なんてやってこないんだ。


まとめ:君へのメッセージ

人生で一番大事なこと。

それは、「自分の魂を、自分自身で救い出すこと」だ。

誰かが君を救ってくれるのを待っていてはいけない。

誰かが用意した答えに満足してはいけない。

自分で考え、自分で苦しみ、自分で見つけ出す。

そのプロセスこそが、君という人間を形作り、生きる意味を与えてくれる。

僕の歌が、君の背中を少しでも押せたなら。

君が夜の闇の中で、孤独じゃないと感じてくれたなら。

僕が歌った意味は、そこにあったんだと思う。

忘れないで。

君は、世界にたった一人しかいない、代わりのきかない存在なんだ。

既成の概念に捕らわれず、君だけの「十七歳の地図」を描き続けてほしい。

冷たい雨が降る夜も、凍てつく風が吹く朝も、君の心の中にある灯火だけは絶やさないで。

……これが、僕から君に伝えたいすべてだ。

最後まで読んでくれてありがとう。

君の旅が、自由で、愛に満ちたものであることを願っているよ。

それじゃあ、またどこかで。

尾崎 豊