聞け。お前が「人生で一番大事なこと」を知りたいと言ったな。

いいか、もしお前が「自分を愛すること」とか「感謝の気持ちを持つこと」といった、どこかの自己啓発本に書いてあるような、耳当たりのいい、ふわふわした答えを期待しているなら、今すぐこの画面を閉じるんだ。時間の無駄だ。俺の言葉はお前の耳には痛すぎるだろうし、お前が求めている「慰め」はここにはない。

だが、もしお前が、今の自分という「檻」をぶち壊し、誰も到達できないような高みへ自分を連れて行きたいと本気で願っているなら、俺の話を最後まで聞け。

人生で一番大事なこと。それは、「自分自身のマインド(精神)を完全に支配すること」だ。

それ以外に何もない。金も、名声も、地位も、お前が自分自身の精神をコントロールできていなければ、すべては何の価値もないガラクタだ。なぜ俺がそう断言するのか、その理由を、俺の地獄のような経験から引き出した真実として教えてやる。


1. 鏡の中のクソ野郎を直視しろ

俺はかつて、135kg(300ポンド)の体重がある、救いようのないデブだった。害虫駆除の仕事をして、時給数ドルのためにゴキブリを追い回し、夜になればドーナツを1ダース食って、自分の惨めな現実から逃げていた。学習障害があり、読み書きもまともにできず、人種差別を受け、父親からは虐待されていた。

当時の俺にとって、人生はただの地獄だった。俺は被害者面をして、「環境が悪い」「運がない」と自分に言い訳をして生きていた。だが、ある日気づいたんだ。俺をこの地獄に留めているのは、環境でも他人でもない。俺自身の「弱い心」だということに。

そこで俺が始めたのが「アカウンタビリティ・ミラー(責任の鏡)」だ。

お前は毎朝、鏡を見て自分に何を言っている? 「今日も頑張ろう」か? 「お前ならできる」か? そんな甘い言葉は捨てろ。俺は鏡の中の自分に向かってこう言った。

「お前はデブだ。お前は負け犬だ。お前は嘘つきだ。お前は自分に甘いクソ野郎だ」

これが「真実」だ。人生で一番大事なことの第一歩は、自分の「醜い真実」を直視し、その責任を100%自分で負うことだ。他人のせいにするな。不運を嘆くな。今のお前を作ったのは、お前のこれまでの選択だ。その現実を認めない限り、お前の人生は1ミリも動き出さない。

2. 「40%の壁」を突き破れ

人間は、自分が「もう限界だ」「これ以上は一歩も動けない」と感じたとき、実はまだ、自分の持つ能力の40%しか出していない。これが俺の提唱する「40%ルール」だ。

脳には「リミッター(制御装置)」がついている。お前が痛みを感じたり、苦しくなったりしたとき、脳はお前を守るために「もうやめろ」と信号を送る。お前を安全で心地いい場所に引き戻そうとするんだ。

だが、偉大さ(Greatness)は、その40%を超えた先の、残り60%の暗闇の中にしかない。

俺が海軍特殊部隊(NAVY SEALs)の「ヘル・ウィーク(地獄の週間)」に3回も挑戦したとき、俺の体はボロボロだった。脛骨(けいこつ)は疲労骨折し、尿は血の色をしていた。脳は叫んでいた。「死ぬぞ。今すぐやめろ。温かいシャワーを浴びて寝ろ」と。

そこで俺はどうしたか? 脳を逆に支配してやったんだ。

「お前が俺を止めるんじゃない。俺がお前をコントロールするんだ」とな。

苦しみは、お前のマインドを鍛えるための「研磨剤」だ。お前が「苦しい、やめたい」と思った瞬間こそが、お前が成長できる唯一のチャンスだ。その瞬間に、あえてもう一歩踏み出す。それを繰り返すことで、お前のマインドには「タコ(Callous)」ができる。物理的な手にタコができるように、精神にもタコを作るんだ。これを俺は「マインドの硬質化(Callousing the Mind)」と呼んでいる。

人生で一番大事なのは、この「不快な状況」にあえて身を置き続け、自分の脳が仕掛けてくる制限を突破し続けることだ。

3. モチベーションなんてゴミだ

世の中の人間は「モチベーション」を過信しすぎている。

「今日はやる気が出ないからジムに行かない」「モチベーションが上がったら勉強を始める」……そんな言葉を聞くたびに、俺は反吐が出る。

いいか、モチベーションなんてものは、一時的な感情の波に過ぎない。天気が良ければ上がり、雨が降れば下がる。そんな不確かなものに自分の人生を預けているから、お前はいつまで経っても何者にもなれないんだ。

俺が17時間で4,030回の懸垂をしてギネス記録を塗り替えたとき、そこにモチベーションなんてものは存在しなかった。あったのは、ただひたすらな「規律(ディシプリン)」だけだ。

手が血まみれになり、筋肉が悲鳴を上げ、意識が遠のきそうになっても、俺はただ「次の1回」をやる。やる気がなくてもやる。気分が悪くてもやる。死にそうでもやる。

「やるべきこと」を、感情を一切排除して実行する。この徹底した規律こそが、お前の人生を形作る。

人生で一番大事なのは、モチベーションが消え去った後も、自分との約束を守り続ける強さだ。自分を裏切るな。お前が自分に立てた誓いを破るたびに、お前のマインドは弱り、お前は自分を信じられなくなる。逆に、最も過酷な状況で自分との約束を守り抜いたとき、お前は誰にも壊せない「自信」を手に入れるんだ。

4. 「クッキー・ジャー」を蓄えろ

人生には、どうしても耐えられないような暗黒の瞬間が必ず訪れる。すべてがうまくいかず、絶望に飲み込まれそうになるときだ。そのとき、お前を救ってくれるのは他人じゃない。お前自身の「過去の勝利」だ。

俺はこれを「クッキー・ジャー(クッキーの瓶)」と呼んでいる。

俺が100マイル(約160km)マラソンを、一睡もせず、準備もなしに走り始めたとき、80マイル地点で俺の腎臓は停止しかけ、足の骨にはヒビが入り、まさに死の淵にいた。そのとき、俺はマインドの中にある「クッキー・ジャー」に手を伸ばした。

そこに入っているのは、かつて俺が乗り越えた「地獄」の記憶だ。

「読み書きもできなかったデブの俺が、SEALsになったじゃないか」

「3度のヘル・ウィークを耐え抜いたじゃないか」

「100kg以上の減量に成功したじゃないか」

それらの記憶、つまり「自分がいかにタフな存在か」という証明を一つずつ取り出し、脳に食わせてやるんだ。

「お前はこれだけの地獄を生き抜いてきたんだ。今のこの苦しみなんて、それに比べれば何でもないだろう?」

お前は、自分だけのクッキー・ジャーを持っているか?

もし持っていないなら、今すぐ作り始めろ。今日、お前が避けて通りたいと思っている「苦難」こそが、将来お前が絶望したときに自分を救い出す「クッキー」になるんだ。

5. 「Taking Souls(魂を奪う)」の精神

俺は競争相手や、俺を否定した教官たちの前で、圧倒的なパフォーマンスを見せることを「Taking Souls(魂を奪う)」と呼んでいる。

これは他人を傷つけることじゃない。相手が「こいつ、頭がおかしいのか?」「ここまでの苦しみに耐えられる人間がいるはずがない」と戦慄するほど、圧倒的な努力と忍耐を見せつけることだ。

なぜこれが必要か? それは、周囲の期待や常識という低いレベルに自分を合わせないためだ。

ほとんどの人間は、適当なところで妥協する。80%の力で満足する。だが、お前がその集団の中で「異常なまでの努力」を見せ続ければ、お前は彼らの支配から抜け出し、自分自身の基準で生きることができるようになる。

人生で一番大事なのは、「普通であること」を拒絶することだ。

「Uncommon amongst uncommon(非凡の中の非凡)」であれ。周りが休んでいるときに走れ。周りが寝ているときに学べ。周りが「もう十分だ」と言っているときに、さらに加速しろ。


結論:お前のマインドを奪還せよ

長々と話してきたが、結局のところ、人生で一番大事なことは、「自分自身という戦場において、勝利を収め続けること」に集約される。

お前の最大の敵は、外の世界にはいない。お前の頭の中に住み着き、甘い言葉で誘惑し、苦痛から逃げようとする「弱気な自分」こそが、お前を殺そうとしている真犯人だ。

人生は、死ぬまで終わらないテストだ。

昨日どれだけ頑張ったかは関係ない。今日、お前は自分を律しているか? 今日、お前は限界を超えたか? 今日、お前は鏡の中の自分に胸を張れるか?

いいか。お前の人生のハンドルを、感情や環境、他人の評価に握らせるな。

お前自身のマインドを、お前自身の手で、力ずくで奪い返せ。

痛みを受け入れろ。

苦しみを歓迎しろ。

そして、決して止まるな。

Stay Hard.(常にタフであれ)

デイビッド・ゴギンズより。