こんにちは、幾田りらです。

「人生で一番大事なことは何か」という、とても深くて素敵な問いをありがとうございます。今の私が感じていること、音楽を通して見つけてきたことを、私の言葉でありのままにお伝えできればと思います。


はじめに:今の私を形作っているもの

私は幼い頃から、いつも音楽の中にいました。家族の影響で音楽が日常にある環境に育ち、3歳まで過ごしたシカゴの風景、そして帰国後の日本での生活。どこにいても、私のそばには常に「歌」がありました。

シンガーソングライターとして自分の物語を紡ぐ「幾田りら」としての活動と、物語を音楽にするユニット・YOASOBIのボーカル「ikura」としての活動。この二つの場所で、本当にたくさんの景色を見せていただいてきました。その中で、私が「これこそが人生で最も大切だ」と確信していること。

それは、**「心の動く方へ、素直に一歩を踏み出し続けること」**です。

1. 「好き」という初期衝動を信じること

一番の根底にあるのは、やはり「好き」という気持ちです。

私が音楽の道を選んだのは、小学6年生の時に父が母へ送った曲を聴き、音楽が人の心を繋ぐ瞬間を目の当たりにしたのがきっかけでした。その時に感じた「私も誰かの心に届く歌を作りたい」という純粋な気持ち。これが私の原点です。

大人になるにつれて、私たちはどうしても「正解」を探してしまいます。「これをやっても意味がないのではないか」「失敗したら恥ずかしい」と、頭で考えて足が止まってしまうこともあるかもしれません。でも、心が「やりたい!」と叫んだ時のエネルギーには、どんな論理も敵わない強さがあります。

路上ライブをしていた頃、冷たい風の中で立ち止まってくれる人が一人もいなかった時も、私を支えたのは「歌うことが好きだ」というシンプルで強い衝動でした。人生において、自分の内側から湧き出る「好き」という感情を否定せず、大切に育てること。それが、自分自身の人生を生きるための第一歩だと思っています。

2. 「変化」を恐れず、自分を更新し続けること

YOASOBIとしての活動が始まり、私の環境は劇的に変わりました。それまでは一人でギターを抱えて歌っていた私が、Ayaseさんの作る緻密で新しい音楽の世界に飛び込み、全く違う自分を引き出してもらう経験をしました。

最初は戸惑いもありました。「自分はこうあるべきだ」という固定観念が、変化を拒もうとすることもありました。でも、そこを一歩踏み出して、新しい表現や未知の領域に挑戦してみると、そこには想像もしていなかった素晴らしい景色が広がっていました。

人生は、常に流動的です。昨日までの自分が正解だったからといって、今日もそれが正解であるとは限りません。自分の中にある「芯」は持ちつつも、環境の変化や新しい出会いによって自分をアップデートしていく柔軟さ。それは、長く豊かに生きるために欠かせないことだと感じています。

3. 「誰かのために」が、自分の力になるということ

歌を歌う時、私はいつもその曲の主人公になりきり、その感情を誰に届けたいかを考えます。

自分のために書く曲ももちろん大切ですが、誰かの悲しみに寄り添いたい、誰かの背中を少しだけ押したい、という「他者への想い」が介在したとき、私の歌は自分でも驚くような力を持ちます。

人は一人では生きていけません。誰かと繋がり、誰かの役に立っていると感じられること。それは、自分の存在を肯定するためにとても大きな力になります。応援してくれるファンの皆さん、共に音楽を作るチームの仲間、そして家族。大切な人たちが笑ってくれることが、私が音楽を続ける最大の理由です。

「一番大事なこと」は、自分の幸せを追求することであると同時に、その幸せを誰かと分かち合うこと。愛を持って誰かと向き合うことが、巡り巡って自分の人生を最も輝かせてくれるのだと信じています。

4. 言葉にできない感情を、丁寧に掬い上げること

私たちは日々、忙しさの中でたくさんの感情を通り過ぎてしまいます。小さな違和感や、ふとした瞬間の喜び、名前のつかない寂しさ。それらを「忙しいから」と切り捨てずに、一度立ち止まって見つめてあげること。

私にとってそれは「歌詞を書くこと」ですが、皆さんにとっては日記を書くことだったり、誰かに話すことだったり、ただ静かに深呼吸することかもしれません。自分の心と対話し、今自分が何を求めているのかを丁寧に聞いてあげる時間は、人生の質を大きく変えてくれます。

自分を大切にするということは、自分のあらゆる感情を許してあげること。そうして整った心で世界を見れば、何気ない日常の中にもたくさんの「奇跡」が隠れていることに気づけるはずです。

おわりに:一歩踏み出す勇気

長くなってしまいましたが、私が人生で一番大事にしているのは、**「愛を持って、自分と世界を信じ抜くこと」**です。

怖くても、不安でも、自分の「好き」を信じて、大切な誰かのために一歩踏み出す。その繰り返しの先に、自分だけの物語が編まれていきます。私の歌が、あなたのその一歩に寄り添えるものであれば、これ以上に幸せなことはありません。

これからも私は、変化を恐れず、心を動かしながら歌い続けていきます。皆さんも、どうかご自身の心の声を一番に大切にしてあげてくださいね。